著者はインターネット上で無料の塾を運営し、環境や学習費用の問題で夢を諦めかけた多くの人を助けてきた、新時代の熱血先生。解剖生理学の授業はもともとサイトの人気コンテンツで、本書はその内容を整理し、書籍化したものだ。
医師はもちろん、看護師、柔道整復師、歯科衛生士や理学療法士、管理栄養士など、人体に関する多くの職業の国家試験で、解剖生理学は必須科目に設定されている。しかしながら身につけるべき知識は複雑かつ膨大で、ここで勉強がつまずく人も多いとか。本書はそのハードルを、個性的で熱い文章、大胆な図解など、類書とは一味違う切り口でぐっと引き下げた。
「本書は勉強の最初の一歩、解剖生理学を嫌いにならないための本という位置づけで執筆されました。入門書よりもさらに前の『超入門』なんですね。だから詳しい方からすると、説明がざっくりとしすぎている部分もあるとは思います。でも実は国家試験対策はきちんと意識されていますし、看護学生への取材も内容に反映しています。本のバックボーンはしっかりとしているんです。監修していただいた医学博士の大和田潔先生からも『この本は簡単そうに見えるが深い内容を書いている』とお墨付きをいただきました」(担当編集者の遠藤英理子さん)
現在の買い手は悩める看護学生が中心。だが、より広い読者に届くポテンシャルを秘めていそうだ。
2016年8月発売。初版1万5000部。現在15刷7万8000部