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特集
どうする保育園。どうなる待機児童。 国会議員、地方自治体トップ、当事者に連続インタビュー

渋井 哲也
2017/08/15

民進党・柚木道義インタビュー「自分もイクメンになってわかったこと」――どうする保育園 #2

私は、出産立会いのために国会を休んだ初めての議員でした

 子育てには保育園の整備と同時に、男性の育児参加が必要であると主張するのが、民進党の柚木道義衆議院議員(45)だ。自身も積極的に育児に関わってきた経験を踏まえ、超党派のイクメン議員連盟を立ち上げ、自らは発起人となった。

 民進党は、保育園や子育てについて、どのような政策を用意しているのだろうか。

困っている人が政策立案の責任者になるべき

――まず、ご自身の子育て経験を聞かせてください。

柚木 1人目の子が生まれた日が、ちょうど国会召集日でした。出産の立会いのために「応召延期届」を出したのですが、男性国会議員としては初めてだったようです。実際にはなかなか生まれず、3日目には上京して国会で質問をし、飛行機でとんぼ返りをしました。午後4時15分に生まれました。「よ・い・こ」と覚えています。育児では喜びと苦しみの連続です。それらを男性がシェアすることが大切です。そのため、イクメン議連を立ち上げました。

 航空会社に勤務する妻は出産から1年で職場復帰しました。妻は一度出社すると3、4日帰りません。そのころ私は財務大臣政務官。登庁前、子どもを保育園に送りました。公用車のトランクに入れていたベビーカーを降ろして、地下鉄に行き、宿舎まで帰りました。送迎で公用車を使わなかったのは公私混同を避けたかったからです。

 週末は選挙区のある岡山県に戻りました。移動中、子どもはなかなか泣き止まないため、飛行機は避け、新幹線を多く利用しました。岡山まで3時間20分。その間、30分くらいしか子どもは座っていません。車両を行ったり来たり。クタクタです。寝かしつけるときは、子どもより先に寝ていました。妻も同じことをしていたと思います。

 生後2ヶ月のとき、子どもがあまりに夜泣きをして、「もう知らない」とベッドに放置したことがありました。自分でも「これは虐待じゃないか?」と思いました。閉鎖的な空間にいると、人は誰でもそうなってしまいます。妻は育児休業中でしたが、24時間営業スーパーに行っていました。1時間くらい帰ってこない。解放される時間は必要です。

現在、当選4回の柚木氏 ©渋井哲也

――そうした経験を踏まえて、待機児童問題が解決しないのはなぜでしょうか?

柚木 困っている人が政策立案の当事者になることでしょうね。ノルウェーでは40代がリーダーです。日本では総理大臣は60代が多く、早くても50代。世界のリーダーは40代になってきています。

 ノルウェーのストルテンベルグ首相(当時)と面会したことがあります。首相は2度、育児休業を取っていました。育休を取得したのは40代のときです。面会した当時は2人の大臣が育休中で、そのうち1人は厚労大臣でした。

 1993年の、ノルウェーでの男性の育児休業取得率は4.1%でした。そこで、男性が育休を取るとその期間中は100%の給料補償をする「パパ・クォータ制度(父親割当制度)」を導入しました。すると、育休取得率は6年後の1999年には85%となりました。これは大げさではなく、ワークライフ・レボリューション、イクメン革命でした。

 日本では、仕事と家庭の両立で大変な思いをしている、あるいは、してきた当事者が、政策立案の責任者になっていません。例えば、広島県の湯崎英彦知事は2010年に育休を取得して話題になりました。11日間で20時間の育児休業の取得でした。県知事には育休に関する法的な規定はありません。あえて「取得する」と宣言したのですが、賛否両論がありました。しかし、「育メン休暇応援制度」や「いきいきパパの育休奨励金制度」などを創設した効果もあって、広島県の男性の育児休業取得率は大幅に伸びました。

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