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特集
どうする保育園。どうなる待機児童。 国会議員、地方自治体トップ、当事者に連続インタビュー

渋井 哲也
2017/08/16

自民党・金子恵美インタビュー「公用車の送迎、問題視されない環境整備を」――どうする保育園 #3

同世代の期待に応える。子育て支援はライフワークにしていきたい。

 総務大臣政務官のとき、公用車に子どもを乗せて認証保育所「キッズスクウェア永田町」に送迎したことが「週刊新潮」に報じられ、賛否両論が沸き起こった自民党の金子恵美衆議院議員(39)。総務省の見解では公用車の運用ルールでは問題ないというが、「政治家は国民との信頼関係が要」として公用車での送迎をやめた。

 実は、自身の子どもも待機児童になったことがあるという。自らの経験も踏まえた上で、公用車での送迎問題と、国として待機児童・保育政策はどうあるべきかを聞いた。

「議員特権」ではありません

新潟4区選出、当選2回の金子議員 ©文藝春秋

――公用車での保育園への送迎をやめたということですが、なぜですか?

金子 今回の件では、保育園送迎だけでなく、公用車そのものの是非や同乗者の基準など、議論が多岐にわたり、整理が必要だと考えました。総務省の運用ルールでは「保育園が公務を行う場所もしくは経路上にある」ことから、保育園送迎は問題ないとされています。

 しかし、公用車での保育園送迎が「常態化」していると、事実でないことを報道されたり、送迎先の保育園が私の職場である議員会館内にあることが伝わっていないなどの問題もありました。実際には、送迎と公務の時間が重なった場合の数回しか公用車を使用していません。大半は、夫(宮崎謙介元衆議院議員)が車で送るか、私や母がベビーカーを押して歩く形で送迎していました。

 もちろん、保育園送迎のためだけに公用車を呼びだしたこともありませんが、政治家のけじめとして一歩引くことを選びました。今後、子育てをしている方が政務官になったとき、公用車利用についてルールだけでなく、道義上、社会通念上も問題視されないための環境整備をしていきたいと思います。

――議員会館に保育園があるんですね。

金子 2010年9月、第二議員会館の地下3階に、東京都の認証保育所として設置されました。議員会館にあることから「議員の特権では」とも言われましたが、そんなことはありません。議員だけでなく、秘書やマスコミ関係者など、永田町近辺で仕事をしている人はオープンに利用できます。私も待機を経験し、空きが出てからようやく入所が決まったのです。

――与野党の議員から様々な意見がありました。

金子 野田聖子総務大臣は議員としても、ママとしても先輩です。公用車の利用について問題視するよりも、「金子さんを子育て世代の代表として応援できる世の中であってほしい」と言ってくださったのは心強かったです。

 他党でいうと、民進党の蓮舫代表でしょうか。「公私混同の感覚が絶対的に欠如している」という指摘でしたが、実のところ、民進党を含め他党の議員も同様に使っています。事実を確認したほうがいいのでは?と思いました。

――公用車のルールを議論すべきでしょうか?

金子 総務省はじめ各省庁ではルールがあります。しかし、これまで小さな子どもの育児をしながら政府の要職に就いた方があまりいなかったのではないでしょうか。前例がないということも、この問題を難しくしました。正しい公用車使用について、試行錯誤を繰り返し、そのことで次の政務官であれ、副大臣であれ、大臣であれ、ルールにのっとって、堂々と後ろめたくなく、公用車を活用できる環境をつくりたいです。

 先日、インターネット上のchange.orgというサイトで「総務省は公用車で保育園の送迎ができるルールを作ってください」と署名活動が行われていることを知りました。野田総務大臣に提出するそうです。私自身も、この問題をこのまま終わらせてはいけないと思っています。

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