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【ソフトバンク】スピード出世の救世主 リバン・モイネロの魅力

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/08/31
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デスパイネのモイネロ愛を見逃してはいけない

 日本の生活にも慣れてきたようで何にでもタバスコ、ペッパーソースをかけるらしい。スムーズに慣れ、好成績を残せている要因としてやはり大きいのは、同じキューバ出身でWBCキューバ代表でも一緒だったデスパイネがモイネロをとても可愛がっているからだろう。自宅に招いて手料理を振る舞ったりしているようだ。

 デスパイネがモイネロを可愛がっているなと思った場面が、モイネロのプロ初登板の時にあった。日本ハムの西川選手から初三振を奪った後、モイネロは自らそのボールをベンチに投げた。初三振という事で記念に持って帰るつもりだったのだろう。その後引き続きバッターに投げるモイネロをベンチのデスパイネが腕組みをして鋭い眼光で見ていた。このシーンがテレビで映った時にSNSでは「デスパイネ腕組んで偉そうに見過ぎ」や「弟子をみる師匠の感じやな」などと騒がれていたが、僕は見逃さなかった。腕組みをしている右手にモイネロの初三振のボールをしっかり握っていたことを。

 いや、めっちゃ大事に持っとる! 持っている事を隠すために腕組みをしていたかは分からないが、デスパイネがベンチに戻ってきたモイネロに直接渡したいのだろうな、と先輩の後輩愛を感じたシーンだった。

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 昨シーズンはホークスの後半の失速原因として、シーズン終盤に中継ぎ陣が崩れたという部分がある。前半にフル回転で投げまくってくれていた為、夏場から後半にかけてその疲れが出てしまい失速。結果日本ハムにひっくり返された。

 今シーズンも森、岩嵜、サファテの3人はすでに50試合以上の登板をしている。嘉弥真ももうすぐ50試合になるくらい投げている。そして中継ぎ陣のリーダー的存在である五十嵐投手の離脱もあった。そんな中、開幕した時にはいなかったが後半の中継ぎ陣の疲れが出てくる夏場に急に現れた救世主モイネロ。しかもホークスにとっては貴重な左腕。現に8月はモイネロのおかげで森、岩嵜、サファテを休ませる事が出来た試合が何度もある。

 優勝に向けてのラストスパート! 今まで頑張ってきた投手陣に疲れが出てくる終盤戦、ワンポイント、ロングリリーフ、抑え、何でもこなす21歳の若き左腕モイネロが木の実のように相手チームを落としまくりホークスを優勝に導いてくれると、僕は信じています! ワンダホー!!

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/3952でHITボタンを押してください。

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