文春オンライン

1年間で220泊した私が選んだ「本当によかったホテル&旅館」50選(2020年9月~12月編)

2021/01/11

genre : エンタメ, , 娯楽

note

■12月07日(月)クインテッサホテル福岡天神南(福岡市中央区)

https://quintessahotels.com/fukuoka-tenjin-minami/

 

 お気に入りのホテルブランドへリピートするという人は多いだろう。一方、同じブランドでもホテルごとの個性には興味を惹かれるもの。先月の札幌に続くクインテッサステイは福岡へ。天神エリアに立地。デスクにもなるソファコーナーにも嬉々とする。

 

 ドアノブからリモコン、スイッチまで各所に貼られた消毒済みシールは印象的だ。スタイリッシュなラウンジでのホテル朝食では、水炊き&とんこつラーメンにググッとハートを掴まれた。基本ホテルにおり、福岡滞在中にとんこつラーメンも水炊きも食べていなかったので何だか得した気分。ビジネスホテル朝食に限らず、ご当地メニュー豊富で進化続ける中にあって、ホテル朝食はもはやグルメ観光の様相すら呈している。

ADVERTISEMENT

■12月11日(金)オリエンタルホテル東京ベイ(千葉県浦安市)

https://www.oriental-hotel.co.jp/

 

 クリスマス下の東京ディズニーランドのゲスト動向、ベビーズ&キディスイートの取材に加え、GoToトラベルでのチェックイン行列対策等の取材も兼ねたステイ。まず印象的な光景がロビーに面して設置された大きなプロジェクションマッピング。前に立つと自分がそこへ入っているかのように映像が動くので、子どもたちは大喜び。チェックインの待ち時間も苦にならない様子。

 

 夕刻、ホテルとデッキで直結する新浦安駅周辺を探索してみた。アトレやファッションビルやイオンなど充実のラインナップ。ホテルステイにショッピングゾーンは大いに役立つ。これなら客室での夕食を調達できそうだ。

■12月20日(日)ホテルバー グランティオス別邸(東京都大田区)

https://grantios-bettei.com/

 

 年内にどうしても訪れたかった大森駅前のお気に入りホテルへ久々に。こんなご時世で消毒などへの気遣いも大変だろうが、客室に欲しいものがこんなに揃っているホテルはやっぱり希有だ。

 

 このホテルの愉しみが「和とBAR 月の小路」。ホテル名の通りバーがある。握りたての寿司を楽しむカウンターと、日本酒やワインにウイスキーなど日本ゆかりのお酒が揃うバーカウンターが対になっていて、ひとつの店に二つの愉しみが向かい合う。静かなダイニングバーが賑わう日が1日も早く来ることを願う。

◆◆◆

 以上、2020年のホテルステイを「1月~4月編(13施設)」、「5月~8月編」(16施設)」、「9月~12月編(21施設)」と3回に分けて紹介した。施設数に偏りがあるのは緊急事態宣言が発せられた2020年ならではであり、特に下半期の宿泊が多くなった。

 2020年は過去に経験のないホテルステイが続いたが、感染症対策を施しつつのステイそのものはもとより、アクセスや動線への気遣いも特異な経験となった。ホテルへ向かう際はできる限り自宅から自家用車を利用、北海道や沖縄は無理としても関西辺りまでならばほぼ車で向かった。

 ホテルでも基本的には客室にいるわけだが、パブリックスペースでは特別な配慮が必要なのは言わずもがな。一方で、各ホテルの感染症対策を知る機会にもなった。何より深く印象に残っているのは、歴史上これほどまでに宿泊施設が除菌・消毒され、清潔さが保たれた時はないのだろうかということ。厳しい状況に置かれると成長するのは人もホテルも同じだ。

 1月7日には1都3県を対象に緊急事態宣言が出された。旅行業界やホテル業界にとって2021年がどのような年になるのか、まだ先は見えないが、1日も早く気兼ねなく旅ができる日が到来することを心から願いたい。

写真=瀧澤信秋

1年間で220泊した私が選んだ「本当によかったホテル&旅館」50選(2020年9月~12月編)

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー