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大井 智保子
2017/11/04

【日本シリーズ】広陵・中村の交渉権もゲット! カープと“勝負パンツ”の深い関係

文春野球コラム 日本シリーズ2017

【監督・プロ野球死亡遊戯からの推薦コメント】
 今シリーズも残すところあと2試合。セ・リーグ6戦目はカープ担当大井さんです。球場に年間60試合近く足を運び、現場の様子を真摯に書く原稿スタンスは元祖カープ女子の意地を感じさせてくれました。リアルペナント独走優勝した広島の想いを込めて、よろしくお願いします!

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カープと「勝負パンツ」

「勝負パンツ」を履いたことはあるだろうか? 女子は割と「勝負パンツ」のことを考えていると思う。例えば気になる彼とのはじめてのデート。初デートでそのパンツが打席に立てるのは、おそらく中継ぎ投手ほどの少ない確率だろう。しかし、0ではない限り手を抜くことはできないのがデート前の女の子。何色にしようか、形はどうしようか。彼の好みを色々と想像しながらワクワクを高める。デートまでのモチベーション、そしてデートで自信を持つことができ、自分を鼓舞するアイテム、それが勝負パンツ。

 試合観戦に行く際もしかりだ。広島ではPJやワコールといった有名下着ブランドのカープコラボパンツが販売されている。マツダスタジアムに来ているカープ女子に「今日何色のパンツを履いていますか?」と聞いたところ、ダントツで「赤」が多かった。その他には「白か赤を履く」、「あんまり気にしてないけど、黒星の黒だけは絶対に履かん!」とカープ女子は「勝負パンツ」に抜かりない。カープファンにとっては様々なシーンで欠かせないアイテムなのである。

PEACH JOHN、ワコールとカープのコラボ商品 ©大井智保子

 記憶に新しいのは2016年の6月半ばの緒方監督“勝負パンツ問題”。緒方監督の「連勝中はパンツをかえない」というルーティンが世の中に広まり、6月14日からはじまった11連勝に、世間がざわついた。「監督のパンツは大丈夫なのか」「いつ洗っているのか、それともずっと洗っていないのか」「洗って乾かないまま履いてるのでは…」など、真剣に心配する声から面白がる声まで、連勝の喜びに拍車をかけて「汚パンツ騒動」が急速に拡大したのだ。

 スポーツ紙で『指揮官は「服もパンツも靴下も、ちゃんと替えている。あんな形で話が大きくなって迷惑。家族も心配している」と力説。さらに「安心してください、替えてます」と声を大にして訴えた』と報じられたことにより、事態は収束を迎えることができた。

 さらに遡ると、2013年10月のドラフト会議。ドラフト1位の大瀬良大地と田村スカウトの「運命の赤い勝負パンツ」の物語である。これまで、監督が行なっていたくじ引きという大役を、担当スカウトの田村スカウトが任されることに。3球団の競合の末、見事当たりクジをひいたわけだが、その時に「赤いパンツ」で挑んだという。さらには指名された大瀬良も「赤いパンツ」を履いていた、と相思相愛の関係を発表した。

「運命の赤い糸」ならぬ「運命の赤いパンツ」で結ばれた二人を盛り上げるべく、「鯉の勝負パンツ」や大瀬良の赤パンツ姿がデザインされたマスキングテープが発売されるなど、赤い「勝負パンツ」が一世風靡したのだった。