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広岡 裕児
2017/10/18

小池百合子が仏マリーヌ・ル・ペンとそっくりな理由とは?

小池都知事とマクロン大統領は正反対

 東京都知事小池百合子氏は、フランスの新大統領マクロン氏と「そっくり」だといわれている。さまざまな場で小池氏自身が公言しており、どうやら、本気でそう思っているらしい。

 だが、残念ながら、小池氏=マクロン氏ではない。むしろ、正反対だ。唯一似ているのは、「既成政党の外で出馬し、あれよあれよという間に当選してしまった」ということだけである。

「PRESIDENT」(2017年7月3日号)によれば、小池氏はフランスの友人から、「どちらも政党支持を得ることなく、国民や都民に選ばれたこと、改革に取り組む姿勢、そして議会対策」と類似点を指摘されたのだとか。

小池百合子都知事 ©文藝春秋

 小池氏は、単に「風」が吹いて勝ってきただけだ。そして、東京都議会選挙では公明党に乗っかり、今回の総選挙では民進党を乗っ取った。思わせぶりと権謀術数で政界を揺さぶっている。

 マクロン氏は、たしかに既成政党には頼らなかったが、自分の支持母体「前進!」をしっかり作っていた。美辞麗句に踊らされるのではなく熟慮して彼の思想・政策に共鳴した支持者の地道な草の根運動が花開き、さまざまな幸運が積み重なったため道が開けた。けっして「風」が吹いたわけではない。

 ちなみに、マクロン氏はわずか半年で、20万人の組織を作りあげたが、マスコミを利用したわけではない。ITと現実をうまく組み合わせ、人々の自主性を尊重した成果だ。マクロン氏は我が道をゆく。左の社会党に所属する政治家も右の共和党の政治家も彼らの方から進んでマクロン氏の運動に参加してきた。マクロン氏は労働法改革などの長年温めていた政策を行なうために大統領選に出馬した。そして、支持率の低下など気にせずに、それこそ、大統領就任の当日から実行に移している。

 むしろ、小池氏に「そっくり」な政治家は別にいる。

 フランス大統領選でマクロン氏と決選投票を争った“極右政党”国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペン氏である。