きょう10月17日は、俳優の松坂桃李(とおり)の29歳の誕生日である。1988(昭和63)年、神奈川県生まれ。今月スタートしたNHKの連続テレビ小説『わろてんか』では、ヒロインの初恋の人として第1週より出演中だ。朝ドラへの出演は、2012年の『梅ちゃん先生』以来2度目。このときも、ヒロインの幼馴染で、のちに夫となる重要な役だった。
大学在学中の2008(平成20)年に雑誌『FINEBOYS』の専属モデルとなり、芸能界入り。当初はバイト感覚で活動していたというが、翌09年、テレビ朝日系の戦隊シリーズ『侍戦隊シンケンジャー』のオーディションに合格し、2年間大学を休学して主演を務めた。ここから俳優として、ドラマや映画、舞台にあいついで出演、注目されるようになる。
なお、「桃李」は本名で、司馬遷の『史記』の「桃李不言、下自成蹊(桃や李は何も言わないが、その下には自然と人が集って道ができる)」という言葉から、父親が「徳のある、誰からも好かれる人になってほしい」との思いをこめてつけてくれたものだという。この名前のせいで小学校時代にいじめられたこともあり、コンプレックスでもあったようだが、芸能界に入ってからは、下の名前で呼ばれることも多く、何より覚えてもらいやすいことから「この名前に対して感謝するようになりました」と対談で語っている(『週刊文春』2017年2月2日号)。
昨年出演したドラマ『ゆとりですがなにか』で、女性に奥手な小学校教員を演じたかと思えば、同じく昨年の舞台『娼年』では、女性相手の“娼夫”を体当たりで演じるなど、ここへ来て役柄の幅を広げている印象がある。すでに来年以降も複数の出演映画の公開が予定されている。30代に向けて、どんなふうに成熟していくのか、楽しみな俳優のひとりだ。