文春オンライン
カプセルホテルはなぜ流行る? 3つの進化形態をまとめてみた

カプセルホテルはなぜ流行る? 3つの進化形態をまとめてみた

2017/10/23
note

進化系カプセルホテルの3形態とは?

 もはやブームともいえる進化系カプセルホテルは3つの形態に区分できる。

(1)サウナなどの充実した温浴施設や付帯施設、グルメといった付加価値を追求する“ハイクラスタイプ”。

(2)豪華な温浴施設など持たずシャワーなどにとどめ(法令上の要請で浴槽を有するケースもある)、スタイリッシュにしてシンプルな利用を想定した“シンプルタイプ”。

ADVERTISEMENT

(3)キャビンタイプを代表とするプライベート空間を充実させた“ホテルタイプ”。

(1)と(3)を併設する“ハイブリッドタイプ”も増えている(グランパーク・イン横浜など)。

最先端サービスにトライする「ハイクラスタイプ」

(1)“ハイクラスタイプ”の代表格は「豪華カプセルホテル 安心お宿」。多彩な無料サービスを提供するバリューなカプセルホテルチェーンだ。VR(バーチャルリアリティ)シアターの導入や、仮想通貨(ビットコイン)での決済サービスなど最先端サービスへのトライがみられる。従来男性専用施設のチェーンであったが、来春には京都に女性も利用できる施設を開業する。

大浴場も充実の「豪華カプセルホテル 安心お宿」

ローコストが売りの「シンプルタイプ」

(2)“シンプルタイプ”の代表格は「ナインアワーズ」。カプセルユニットが宇宙船のようなイメージで話題に。シャワーのみの利用や1時間からの仮眠利用など、シンプル・ローコストならではのフレキシブルな利用プランを前面に打ち出す。東京をはじめ仙台、京都へも出店、7月には女性専用の「ナインアワーズ ウーマン 神田」も開業した。

スタイリッシュな空間も話題の「ナインアワーズ」

余裕ある空間で人気の「ホテルタイプ」

(3)“ホテルタイプ”の代表格は「ファーストキャビン」。東京を中心に西日本各地へ展開する有名チェーンだ。キャビンならではの余裕あるプライベート空間をはじめ、充実の付帯施設も人気。カプセルホテルではなく“コンパクトホテル”というブランドイメージを打ち出している。ゆえにもはやカプセルホテルとして紹介しにくいのがジャーナリストとしてジレンマでもある。

プライベート空間が広い「ファーストキャビン」

 キャビンタイプでいえば、ビジネスホテルチェーンの「ドーミーイン」は「ドーミーイングローバルキャビン」を展開し人気を博している。人気ビジネスホテルならではのゲスト目線が秀逸なキャビンタイプのカプセルホテルだ。このように一般のホテルブランドがカプセルホテルへ参入するケースもみられるようになった。