終電に乗り遅れたサラリーマン御用達というイメージのカプセルホテル。宿泊施設としては緊急避難的なスポットという存在。しかしそんなカプセルホテルがいま、格段の進化を遂げている。

オシャレなパブに漫画ライブラリーを併設(グランパーク・イン横浜)

ますます進化するカプセルホテル

 旅館業法では宿泊施設の営業を4つ(旅館・ホテル・簡易宿所・下宿)に区分しているが、基本的にカプセルホテルは簡易宿所にあたる。詳述は避けるが、設備をはじめとした諸条件など営業許可のハードルは一般のホテルと比較して低く、参入・撤退も容易なので、昨今の急激な宿泊需要に呼応するかのように多くの企業が参入、活況を呈する業態である。

 法律上、ホテル営業ではないのにカプセル“ホテル”という呼称がどうなのかということはさておき、近年一般のホテルを凌駕するような個性的サービスで、人気を博する施設が増えている。筆者は都内すべての施設へ宿泊したが(2014年現在/女性専用施設は除く)、秀逸なコンセプトを打ち出す、進化著しい施設を目の当たりにし“進化系カプセルホテル”と名付け、各種媒体から情報発信してきた。もちろん昔ながらの旧態型施設で常連客が多いところも存在感があるが、進化系の勢いは見逃せない。

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旧態型施設も根強い人気

 進化系カプセルホテルが発展した要因としては、女性専用エリア需要の高まり、LCCや格安高速バスといった低廉な移動手段の発展、インバウンド需要の高まりなどと密接な関連がある。女性需要という点では、従前の男性専用施設をリニューアルし女性専用エリアを設ける施設が目立つ中、女性しか利用できないカプセルホテルも誕生している(「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」「秋葉原BAY HOTEL」など)。いずれにしても進化系は、スタイリッシュでデザイン性が高く、清潔感ある空間が特徴だ。