子供を勉強好きに育てたいと願う親は多い。が、本書の監修を務める人気学習塾の代表・高濱正伸さんによれば、〈絶対にみんな、本当は勉強が好き〉〈好きにさせるより、「嫌いにさせない」ということこそが大事〉なのだという。本書は楽しい学習書なのだ。
「企画を高濱先生にご相談に行った際に、『とにかくおもしろい本にするといいですよ』と助言をいただいたんです。大勢の子供を見続けている先生の言葉には説得力があったので、編集時にはいわゆる教材っぽい見た目にしないことをひたすら心がけました。例文はきちんとした文章なのですが、その分、マンガはとことん笑いを重視。『あなどる』だとか『みくだす』だとか、あまりいい言葉じゃないものは動物のキャラでマンガ化することで印象を和らげました。また、目次をつけず、言葉のカテゴリー分けもあえてしないことで、次にどんな言葉が出てくるのかわからないワクワク感も大事にしました」(担当編集者の島田みさきさん)
ヒットを支えたのは口コミ。質の高さとキャッチーさを両立した内容が教育現場で受けた。レベルアップ編、算数脳パズルと続いたシリーズの累計は30万部を超えている。
「変わった需要としては、日本語を勉強中の海外の方が読んでいるというお話をうかがいました。そうした方にも、マンガだと言葉のニュアンスが伝わりやすいのでしょうね」(島田さん)
2016年6月発売。初版1万7000部。現在21刷22万4000部