映画化もされた『毎日かあさん』を始め数々のヒット作で知られ、受賞歴も多数。エッセイやタレント的な活動でも人気のマンガ家が、波乱万丈の人生経験に基づく女性の生き方についての考えを温かな語り口で述べた本が好調だ。もともと売れっ子の著者だが、本書の勢いは飛び抜けている。
〈ダイヤも、お寿司も、自分で買いましょう〉〈王子様を待たないで〉など、本書が強く訴えるのは、女性が社会的に自立することの大切さ。それは反抗期を迎え、これから人生の荒波に立ち向かおうとしている愛娘へのアドバイスとして書かれたのだという。
「1年をかけて本を準備していく中で偶然にも、リアルな西原家の母娘関係の進行が色濃く反映されました。それが本書の魅力に繋がったのかなと思います」(担当編集者の松崎夕里さん)
また本書は、著者と同じく、子育てを終えて〈卒母〉する人へのエールでもある。
「西原さんのことを少し尖った、サブカルなイメージの著者として敬遠していた方も多いと思うんです。そういう方、特に女性の読者に届いている印象を受けています。西原さんとは何冊も本を作らせていただいてきましたが、亡くなられた元夫の鴨志田穣(ゆたか)さんに関する文章を始め、スケジュールのギリギリまで粘ってとても丁寧に手を入れられていて、この本には特別な思い入れを感じました。ここからさらに広い読者に届いてほしいです」(松崎さん)
2017年6月発売。初版3万部。現在7刷16万部