子育てには不安がつきもの。先達の知恵を借りようにも、膨大な育児書の中からどれを選べばよいのやら。そんな事情は洋の東西を問わないようだ。シアトル在住のジャーナリスト・編集者である著者・鹿田昌美氏も、自身の妊娠・出産にあたり〈科学的なデータに基づく実践的な子育てアドバイスをまとめた、読みやすくてどのページをめくっても役に立つ本があればどんなにいいだろう〉と感じ、そして、実際に書いてしまった。
「著者はこれまで教育書や脳科学の本の編集をする中で、先行するノウハウを徹底的に調べあげてきました。本書は、そこから根拠や効果が明らかなものを全部並べあげたものなんです」(担当編集者の三浦岳さん)
たとえば読み聞かせ。ただ推奨するのではなく、子供の年齢に応じてどのくらいの時間、どんな内容の本を、どうコミュニケーションしながらやるのが効果的なのか、極めて具体的に解説する。愛情のかけ方、生活習慣、しつけ、運動など、ほかのトピックも同様。大半が男親、女親問わず実行できるのもポイントだ。
「男親が抵抗なく読める端的なアドバイス集を目指しました。刊行後は営業部がビジネス書の棚で並べるよう書店さんにきめ細かく働きかけてくれました。そんな地道な努力がヒットにつながりました」(三浦さん)
育児書には稀なことに、初動は男性読者。現在、女性読者が着々と増加中。育児書の新定番になるのかも。
2016年11月発売。初版7000部。現在13刷12万部