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竹内 茂喜
2017/10/20

【中日】「まだまだ甘い!」森野コーチの若手育成に期待する秋

文春野球コラム クライマックスシリーズ2017

下克上で始まった今年のCS

 プロ野球界はクライマックスシリーズ真っ盛り。先週土曜から始まったファーストステージは両リーグともに3位チーム勝ち上がりというなんとも下克上な結果となり、短期決戦の怖さを目の当たりにした。

 DeNA、楽天はその勢いで、リーグ優勝チームの本拠地に乗り込み、最終決戦ファイナルステージへ挑むってな話なのだが、毎回思うことは、待ち受けるチャンピオンチームは戦わず、勢いに乗った挑戦チームを迎え撃つのは相当イヤなものなのだろうなと。たとえ1勝のアドバンテージがあるとはいえ、そこは短期決戦。勢いほどやっかいなものはない。この原稿はファイナル第1戦を終えた後に書いているのだが、DeNAこそ天気に水を差された結果とはなったものの、両チームともにノンストップベースボールの勢いは十分に感じられた。この戦い、最後の最後までもつれそうな予感がプンプン。果たして結果はどうなるやら。野球の神様のみぞ知るってなわけか。

いつ何時も想いはドラゴンズ

 我がドラゴンズがクライマックスシリーズに出場しない場合は決まってバーチャルご贔屓チームを選んでいるのだが、今年も昨年同様DeNAを応援している。同じセ・リーグということもあり、またチームカラーがブルーというのも好感度を高くしている理由だ。現地で見ることはなくテレビ桟敷での観戦となるわけだが、突貫小僧の桑原を見れば、往年の彦野に似ているなぁ、梶谷のシャープな振りを見ては、福留孝介みたいじゃん!と呟く。宮崎のバッティングフォームや柔らかいグラブ捌きには中村ノリを思い出し、ウィーランドのナスティーカーブには久々にバンチを想起。まあ簡単な話、ベイ応援とはいえ、いつ何時もドラゴンズを忘れずにはいられないという話なのである。

 そんなドラゴンズは皆さんご存知のように本年も早々と10月10日に終戦を迎え、最後の4連敗で借金20に到達。順位は前年から1つ上がり、5位にはなったものの、なんともやり切れない消化不良のシーズンとなった。これで5年連続クライマックスシリーズ進出ならず。当時小学校一年生だった子が今や小学校六年生、多感な中学校三年生だった子は成人にもなる年月を重ねているわけだ。ドラゴンズは弱いチームというレッテル。これだけはなんとしても引っ剥がさなければならない。その為にはこの秋が大変重要となる。教育リーグや秋季練習において他球団の倍、いや倍以上の練習を己に課し、実りのある秋にすべきなのである。春のキャンプとは違い、秋は多少ぶっ壊れてもよいぐらい自らを追い込むべき。

 今でも記憶している。落合元監督が監督就任時に話した「全体のレベルを10%底上げすれば優勝できる」という名言を。当時とは戦力も異なるが、言わんとすることは今も同じのはず。現状レギュラーと保証されているのはセンター大島ただ一人。福田、京田もまだまだ安泰できる立場ではない。空いているレギュラーポジションを競い合う激しさを見せれば見せるほどチーム力は自然と向上するはずだ。そんな中、この秋から若手を指導する立場となった森野新コーチ。定位置を取り損なっている選手たちにはまさにうってつけの存在となろう。彼自身も一軍半という微妙な立場を長い期間過ごしたものの一念発起。落合元監督に気を失うまでノックを受け、それでも必死に食らいついてようやく自分の居場所を勝ち取った叩き上げの苦労人だ。