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非公開の展望台と松虫姫伝説 終点・印旛日本医大駅“4つの謎”

通勤電車乗り過ごしの旅・第3弾

2017/11/20
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ドーム状屋根、非公開展望台 2つの謎に駅員は首を傾げるばかり

 そんなやるせなさを感じつつ、印旛日本医大の駅舎である。珍妙な駅というのはあるもので、なぜかドーム状の屋根を持ちその中は展望台(が、非公開)。まるでモスクか教会か、と宗教戦争のきっかけになりそうな独特なデザインだ。一体なんでこんな駅になったのか、駅員に尋ねてみても首を傾げるばかりでその理由は皆目検討がつかない。一応「関東の駅百選」にも選ばれているというが、そもそもせっかくの展望台も非公開ではもったいないではないか。

モスクのような荘厳な天井

3つ目の謎 なぜ副駅名が「松虫姫」なのか?

 空港を目前にしての寸止め駅の虚しさに加えていきなり釈然としない思いを胸にいだきながら、駅の周辺を歩いてみると、そこに広がるのはいわゆる“住宅団地”が建ち並ぶ典型的なニュータウン。印旛日本医大駅の周辺は、北総線沿線に広がる千葉ニュータウンの西の端にあたる。

 駅の横には大型マンション、線路を挟むように南北に戸建住宅が立ち並び、いずれも南に向けて屋根にソーラーパネルを並べた似たような形状。犬の散歩に休日のレクリエーションにと役に立ちそうな公園も。キレイに整備されつつ平日日中は人気のない街路もまた、よくあるニュータウンのそれである。駅が開業した2000年当時はまだまだ開発途上だったようだが、なんだかんだで都心まで1時間ちょっとでその上ほぼ確実に座って通勤できるという利点も相まって、どうやら開発は着実に進んでいるようだ。

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よくあるニュータウンのそれ、と思いきや

 と、ここまで読んで「ああ、別に何の変哲もない駅と住宅地の町なのね」と思った方、ハッキリ言って大間違いである。印旛日本医大駅のホームにある駅名板を見てみると、「松虫姫」という名の副駅名が書かれている。

駅名看板にも(松虫姫)とある