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男子を生まなかったから「国民の皆様は雅子さまを責めたでしょうか?」高市早苗が“女性天皇は大変”だと考える理由

#2

source : 文藝春秋 2022年1月号

genre : ニュース, 社会, 皇室, 政治

note

政治の世界でも「女性には無理だ」と

――政治の世界でも「女性には無理だ」といわれることが多いのではないでしょうか。そうした中で風穴を開けてきたひとりが、高市さんだと思うのですが。

高市 私は今の仕事でも相当、体力的にはきつい所を、歯を食いしばってやっています。これまでの仕事もそうでした。やはり「男性のほうが体力があるなあ」と思うことが、たびたびありました。私が総務大臣をしていた時のことですが、当時の安倍総理と一緒に被災地に行ったことがあります。総務大臣は、消防や地方財政も所管していますから。瓦礫の中を長時間歩きましたが、その時、「男の人はやはり体力があるな、強いな」と思ったものです。

 天皇陛下のご公務を何度か神事を含めてお側で拝見させて頂いたことがあるのですが、「ああ、これは大変だ」と、つくづく思いました。立ったり座ったり、あの重い装束でなさる。寒い中をずっと宮中の三殿を歩かれて長時間、務めておられるのを拝見したこともあります。垣間見る陛下のご公務のありようだけでも、私では無理だと、それほどの激務だと感じました。女性でも、できなくはないのかもしれませんが、相当お辛いことだと拝察致しました。

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岸田文雄首相ら三権の長から祝賀を受けられる天皇皇后両陛下と愛子さま(代表撮影) ©時事通信社

総理の忙しさは想像がつく

――総理大臣も大変に多忙で、超人的な体力が必要なのでは? でも、高市さんは総裁選に臨みました。

高市 確かに総理にも超人的な体力は必要だと思いますけれども、それはだいたい想像がつくんですよ。総理には悪いけれども(笑)。閣僚は、衆参両院で委員会をいくつも掛け持ちして、朝から夕方まで答弁を続け、夜間や早朝や昼休みに役所の仕事をこなしますが、総理は予算委員会の代表質問が終わったら、その後は一般質疑で出席不要ですから、官邸で仕事をする時間は確保できます。確かに閣僚よりは重責で激務ではありますけれども、どの程度の激務なのか、自分に堪えられるのかどうかは、だいたい想像がつきます。

――上皇さまの生前退位が決まる過程で秋篠宮さまは、「兄が80歳の時、私は70代半ば、それからでは(即位)できないです」とおっしゃったと報じられ、天皇即位を辞退するご発言かと物議を醸しました。皇位継承順位第1位の秋篠宮さまが即位を辞退したいとお考えになった場合、それは認められると考えますか。

聞き手の石井妙子氏 ©文藝春秋

高市 それは難しいでしょうね。法律も変えて、皇嗣職を作ったという中で皇位継承の筆頭にある方が、お継ぎにならないということは、とても難しいと思います。

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