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大山 くまお
2017/11/25

「子無し税」で炎上中に山東昭子「4人以上産んだら表彰」発言の時代錯誤

──今週の珍言・暴言・問題発言

山東昭子 自民党参院議員・元参院副議長
「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」

朝日新聞 11月22日

 1週間の名言、珍言、問題発言を振り返る。今週の総ツッコミ発言その1。自民党の山東昭子元参院副議長が、21日の党役員連絡会でこのような発言を行った。表彰してくれるなら子どもをたくさん産まなきゃね! ……なんて考える人がいるワケないだろ! これが少子化対策の一環と考えているならどうかしている。先にやるべきは、待機児童問題の解消や貧困家庭への支援などだ。そもそも子どもは国のために産むものではない。山東氏の発言を聞いて「産めよ殖やせよ」という戦前・戦中のスローガンを思い出した人も少なくないだろう。

山東昭子氏

 山東氏は取材に対して「女性活躍社会で仕事をしている人が評価されるようになって、逆に主婦が評価されていないという声もあるので、どうだろうかと発言した」と答えているが、仕事をしながら子育てをしている人や子どもがいない主婦をどう捉えているのだろう? 主婦を評価したいなら、妊娠・出産を評価軸にするのは明らかに筋違いである。

 教育評論家の尾木直樹氏は「女性は『子どもを産む機械』か?!」と題したブログを更新し、「あまりにも女性をバカにしている話ではないでしょうか? 時代錯誤も甚だしい」と批判(11月21日)。さらに翌日も「国際的な失笑・苦笑ものですね」と批判を続け、「子ども産んで幸せ感じる社会になって欲しいと切に願います いや子ども産まなくても結婚しなくてもみんなが幸せ感じる社会築きたい 政治家はその先頭に立つのが責務ではないでしょうか?」と記した(11月22日)。

 なお、政府が2018年度税制改正で議論する所得税改革に関し、子どもがいない世帯で年収800万~900万円を上回る場合に増税とする案を検討していることがわかっており、ネットなどでは「子無し税」ではないかと批判が広がっている。

竹下亘 自民党総務会長
「(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は(晩餐会への出席には)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う」

朝日新聞デジタル 11月23日

 今週の総ツッコミ発言その2。自民党の竹下亘総務会長は23日、天皇、皇后両陛下が国賓を迎えて開く宮中晩餐会をめぐり、冒頭のように述べた。同性愛者には人権を与えないということなのだろうか? これが国会議員の発言とは驚くほかない。

衆院選開票速報場で笑顔で握手する竹下亘総務会長

 立憲民主党の尾辻かな子衆院議員は、ツイッターで「ルクセンブルクの首相はゲイですが、彼が来日した際に配偶者に出席を遠慮頂くのでしょうか。国際問題になると思いますので、早く撤回される方がよいと思います」と述べ、「G7の中で異性としか結婚できないのは日本とイタリアのみ。米、カナダ、英、独、仏は婚姻の平等が認められている」と指摘した(11月23日)。

 また、竹下氏が「日本国の伝統」と発言したことも総ツッコミを浴びている。そもそも男色は日本の伝統だ。武家などにおける男色である「衆道」は大河ドラマでも頻繁に描かれている。「日本国の伝統」を持ち出すのなら、明治以降に開かれるようになった宮中晩餐会の存在そのものが伝統に反しているとも言える。竹下氏が考えている「日本国の伝統」とはいったい何のことなんだろう? 誰かが捏造した偽史なんじゃないだろうか。