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昨季の楽天イーグルスに足りなかった外国人野手の活躍…“優勝のキーマン”マルモレホスに聞いてみた

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/05/08
note

たくさんの“マルポーズ”を見せてくれ!

 そんな“マルちゃん”に先日インタビューする機会があった。「マルポーズ」の生まれたきっかけを聞いてみた。

「安保通訳から、日本の『マル・マル・モリ・モリ!』を聞かせてもらって、これは日本の子どもたちに人気の曲だと教えてもらったんだ。チームに合流した時に、チームメイトと関係性を築くために、掴みとして何かできたらいいなと思ったんだ。初日の挨拶でそれをやったらみんなすごく喜んで笑ってくれたので、じゃあ塁上でも何か出来ればいいなと思ったのが始まりだよ」

 なんとマルちゃん、チームに早く溶け込もうとキャンプの段階からしっかり“仕込み”をしていた。こんな話をきいたら応援せざるを得ない。続けてマルちゃんは日本とアメリカの野球の違いについてこう語った。

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「ストライクゾーンの違い。日本の方が外を広く取る。自分のゾーンを守りながらも合わせないといけないね。あと日本のピッチャーは、長くボールを持ったり、クイックで投げたり、打者を困惑させる投げ方をしてくる。重心を低めに取って、足もワイドに取って。クイックなどにも対応できるようにしているよ」

 ストライクゾーンが縦に広いのがアメリカ、横に広いのが日本と聞いたことがある。マルちゃんもそれを実戦の中で感じ、しっかりアジャストしようとしている最中なのだろう。

 また外国人選手が成功するにはプレーだけではなく慣れない異国での生活に対する順応性も求められる。覚えた日本語を聞くと、

「ガンバッテ。ガンバレ。サイコー。オネガイシマス。アリガトウゴザイマス。オハヨー」

 と、とても流暢な日本語で答えてくれた。『マルマルモリモリ』作戦が成功?したのか、早くも仲良くなった涌井投手からお寿司をご馳走になったそうだ。

「寿司は本当に美味しい。アメリカで食べた寿司とは全然違った。これが本当の寿司かと思ったよ。お気に入りはカニ、サーモン、ブリ、ハマチ。日本食は非常に美味しいね。コメが好きなので、お米もたくさん食べている。日本食ダイスキ」

 マルちゃんは環境にもアジャスト。ほどよく都会な仙台の街も非常に気に入っているようだし、そして何より日本を「好き」になろうという努力も感じられる。

 最後に、今後への意気込みを聞いた。

「まだ自分がいるべき場所には程遠いけれども、一歩ずつ自分が求めているところに近づいている実感はあるよ。もっとチームに貢献して、楽しむことも忘れずに戦っていきたいね。そして、非常にエキサイトする場面であればあるほど、“マルポーズ”もどんどん進化していいものになると思う。是非期待して欲しい!」

 終始にこやかな表情で質問に答えてくれたマルモレホス。優勝の喜びを共に分かち合おうじゃないか!

 これからも塁上でたくさんの“マルポーズ”を見せて欲しい。

◆ ◆ ◆

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