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「どうせお前なんか、議員秘書になんて見えねえぞ?」と声が…役者・草彅剛が35歳で“役を事前に作り込まなくなった”ワケ

2023/01/16

genre : エンタメ, 芸能

note

草彅 いえ、そうではないです。そもそも漣さんも健さんもあまりに凄過ぎる存在ですから、端からああいう風になりたいと思った事だって一度もないし。

 僕は何かを覚える時、それが楽しければ努力や勉強という感覚が自分の中に全く無いんですよ。もちろん、目上のかたへの礼儀やご挨拶として「学ばせていただきます」と口にしたことはあるけど、本当は人から何かを「学んでやるぞ」という気持ちが僕には全く無い。結果的に学びになっていた、という感じ。

 そういう意味ではちょっと不謹慎だったのかもしれないけど、漣さんとも、健さんとも、ただただ「ご一緒させてもらえて楽しかったなあ」という実感しかない。もしかしたらお二人とも「ウソつけ、教えてやっただろ!?」と怒っていらっしゃるかもしれないけど(笑)。

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©榎本麻美/文藝春秋

「お芝居だけをやっていたら、芝居力が落ちちゃう」

――マルチな活動をされている草彅さんですが、近年、芝居への向き合い方や意味合いに変化は生じてきましたか?

草彅 そこは特に変わっていないかな。僕の場合は今までも仕事の範囲を決め込まずにここまで来たし。例えば「お芝居だけをやる」とか、守備範囲を狭めちゃうのはつまらなくて。自分の中では全て繋がっている感覚なので、いろんなことをやっていた方がいい。

 例えばYouTuberの活動には芝居のヒントがあるし、芝居の中には歌のヒントがある。勉強という意識が無いから、いろいろやっていくことで、自然と「あっ、これとこれは入口が同じ?」と気付く。そういう感じが好きなんですよ。あれこれやっている方が刺激的で楽しいし。多分、お芝居だけをやっていたら、かえって芝居力が落ちちゃうと思います。

――『新しい地図』の稲垣吾郎さん、香取慎吾さんも各々俳優としてもご活躍で、お二人とも草彅さんの“芝居力”を絶賛されていますね。

草彅 いやあ、僕のことばかり褒めてくれるけど、やっぱり二人ともすごい人たちだなって心から思いますよ。それこそ、早く三人でやりたいことがあって。

(※後編へ)

ヘアメイク 永嶋麻子

スタイリスト 川埜美紀

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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