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「あのひと声がなかったらM-1に持って行ってなかったかもしれない」…錦鯉に栄冠をもたらしたタカアンドトシからの“アドバイス”

2023/01/18

source : 週刊文春

genre : エンタメ, 芸能

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決勝のネタを決めたタカアンドトシの「あれ、めっちゃおもしろいな」

――2021年決勝は1本目を終えた時点では、オズワルドが665点でダントツでした。錦鯉は655点でインディアンスと並んで2位。雰囲気的には、オズワルドの優勝の流れになっていたかと思うのですが。

渡辺 舞台に立っちゃえば、やるしかないので。そこは2本目も気持ちよくできましたけど。

長谷川 僕はそこは考えませんでした。とにかくいつものライブのつもりで楽しくやろう、ぐらいの感覚で。そこがよかったのかもしれません。

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撮影 山元茂樹/文藝春秋

――2本目は猿を捕まえに行くという設定のネタでした。1本目の合コンをテーマにしたネタは過去に作ったネタとのことでしたが、あれもそうだったのですか。

渡辺 あれは同じ年です。タカトシ(タカアンドトシ)さんの新ネタライブに呼ばれて、そこで初めて披露したんです。ライブ終わりに、タカさんが走り寄ってきて「あれ、めっちゃおもしろいな」って。あのひと声がなかったらM-1に持って行ってなかったかもしれないです。

――ファイナルジャッジのときは、錦鯉の名前が出るたびに渡辺さんのリアクションが段階的に大きくなっていって。気持ちがよく出ていましたよね。

渡辺 信じられなかったので。嘘でしょ、って。

「テレビ慣れしてなかったため」M-1優勝の舞台でやってしまったこと

――最初の一人、オール巨人さんはオズワルドに投票しましたが、そこからは5人続けて錦鯉に入れていて。最終的には5票を獲得しての圧勝でした。全審査員の投票結果が出切る前に渡辺さんは長谷川さんに抱きついていましたよね。歴代王者の優勝シーンを見返すと、全部の発表が終わるまでは感情を抑え気味だったので、そこがかえって新鮮でした。

渡辺 抑えられるのはテレビを知っている人たちです。僕らはテレビ慣れしていなかったので、段取りがわかっていなかった。4票目を確認した瞬間に、(優勝が)決まった!って。なので、6人目の松本(人志)さんの結果を見ていないんです。いちばん大事なところを。

撮影 山元茂樹/文藝春秋

長谷川 僕は隆に抱きつかれて「ありがとう」って言われた瞬間に、初めて優勝に気づきました。あとで映像を見返したら、そこまで僕は微動だにしていないんです。まったく現実味がなかったんでしょうね。

渡辺 スロットだと思ってたんじゃねえの。全部、揃ったら当たりみたいな。2枚目で「あ、ハズレだ」って。

長谷川 そんなわけないじゃん。でも、この前、爆笑問題さんにも言われたんです。おそらく全国で、いちばん優勝に気づくのが遅かったんじゃない?って。

渡辺 なんだったら、テレビ見てない人たちより遅かった。

長谷川 そ、そんなわけないでしょ!

笑い神 M-1、その純情と狂気

中村 計

文藝春秋

2022年11月28日 発売

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