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無い才能の、見切り方

駄目なことはすっぱり諦めて、良い中年になろう

2018/02/01

削られゆくプライベートの時間

 その一方で、何かに関心を持つと知らずにはいられないのは子供のころから変わりません。万難を排してでも調べたくなる。コーヒーメーカーのスイッチを入れるのも面倒なのに、調査リストを作って法務局で登記をあげるのは楽しみでなりません。誰に公表するわけでもないのに気になった会社の社長宅を突き止めて写真を撮りたくなるわけであります。撮らないけど。

 中年になると、縦軸に「得意か、不得意か」を、横軸に「好きか、嫌いか」を置いて、仕事でも趣味でもマトリックスができるようになっていって、自然と得意で好きなこと以外しなくなっていくのです。金を使うのも時間をかけるのも限られた、おっさんという状況の中で最大限の効率を求めなければならないのは、削られゆくプライベートの時間です。おっさんは何かを犠牲にしなければ自分の時間を持つことなどできない。睡眠か、子育てか、介護か、家内との時間か、友人関係か、あるいは仕事やキャリアか。確かに気晴らしのためゲームセンターにいこうと思っても家事に苦労している家内を置いていくのは悪いと思うし、子供の送り迎えやデイケアの車が来るまで待つ間のスキマ時間はどうしても読書やスマホのような代物で心を埋めていかなければならない。

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 それでも、近所の学童保育で夕方の帰り時間にやってくる会社員風のお父さんお母さんも、しんどい時間をやりくりして迎えに来ている。苦しくとも楽しい我が家をと理想を掲げて、自分たちが子供のころになろうと思っていた夢も、送りたかった人生もある程度諦めて、二馬力吹かして頑張ってる家庭も多いのでしょう。そればかりか、シングルマザーだったり、介護がしんどくて仕事を辞めたり。いろんな人生が、環境に向き合っていく中で、様々な夢を諦めていまを生きているのでしょう。