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 さらにこの看護師も上司に“隠蔽”を指示されたという。

「普段は他病棟に応援に行けば、看護師の管理日誌という書類に誰がいつ、何時間どこの病棟に応援に行ったと記載しますが、一人を残して応援に出る場合は、『書いたらあかんよ』と言われ、正式な書類には残さず、メモ用紙的な物に書きなさいと指示されていた。夜間に病棟から応援を出すのは、人員配置基準に反するので、隠蔽しているのではと噂になっていました。ただ、万が一医療事故が起こり、『なんで1人しかいなかったのか』と問題になったときに、果たして守ってもらえるのかと本当に恐怖を感じました」

職員定数の方針が書かれたNHOの内部文書

京都医療センターに実態を問うと…

 この記録を残さない「一人夜勤」の実態について、京都医療センターに問うと、「コロナ病棟の患者が少数のとき、他の病棟に応援に行くことはあります」とした上でこう回答した。

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「記録をすべきところは記録する。残さないことはないという認識です。一人になるというのはあってはならない。考えられないことです。ただ、調査はしていません」

 患者の命に関わることだけに、NHO本部の早急な調査と対応が求められる。

 3月1日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および3月2日(木)発売の「週刊文春」では、小誌に届いた多数の看護師の告発を紹介し、看護師不足によって「患者の放置」や「事故のリスク」が増加するなど、NHOの病院で「看護崩壊」が起こりつつある実態を詳報する。

●「週刊文春」では今後も看護師の労働問題を報じていきます。情報提供は「文春リークス」にお寄せください。

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