文春オンライン

《戦禍の中の日常》「岸田首相、ウクライナ来たらどや?」不肖・宮嶋が撮った、戦争にへこたれないウクライナ国民の「余裕」

#1

2023/03/19
note

商店も再開し食も充実

 商店もずいぶん開きだした。7カ月前は開いてるレストランなんか一軒もなかったのに、いまはアパートの隣がドーナツ屋、その隣がワインバー、そして歩いてすぐのとこに「ヤポーシカ」という寿司からラーメン、はてはピザ、ハンバーガーまで出すレストランが21時まで開いてるのである。ちなみにヤポーシカというのはウクライナ語で日本の女の子の意味である。

ハルキウ市ではレストランはおおむね21時まで、バーはそのあと23時くらいまで営業していた。停電がない限りだが。この夜電気が復旧、ウクライナ国家を歌い、明るい夜を祝った ©️宮嶋茂樹
不肖・宮嶋のアパート前のショッピング・モール「ニコルスキー」。町が停電中もここは通電し、Wi-Fiも飛んでいたが、空襲警報が発せられると無条件で叩きだされる。ショーウインドー前にはうず高く土嚢が積まれている ©️宮嶋茂樹

 まだまだあるで。アパートの真ん前には、東京でいうたら「ナショナル麻布」とコストコが合併したみたいな高級巨大ショッピングモールの「ニコルスキー」が普通に営業しとるのである。おかげで翌朝早い出動の前夜には、そのモールでどう見てもチキン照り焼き弁当150フリブナ也(現在のレートで約550円)を買いだすのが習慣になったぐらいである。

ショッピング・モールに入っている高級スーパーにはどう見えても鶏照り焼き弁当がズラリ。味もほとんど同じ。これで約500円 ©️宮嶋茂樹
こちらもスーパーの乳製品コーナー。ウクライナは農業国のため乳製品も自国製。税金まみれの日本と違い、ウソっつうくらい安い。このひと切れで1ドルくらい。これでワインといっしょに売ってるからずるい ©️宮嶋茂樹

岸田首相、おみやげには発電機を

 もひとつちなみに、あれほど悩んだ燃料の心配はなくなったようで、停電になるとそこら中から発電機の轟音が聞こえてくる。ガソリンスタンドに列を成すクルマもいない。だがガソリンの値上げはすさまじく、税金まみれの日本と同じくらいのリッター2ドル弱である。しかしそのせいで街は排ガスの臭いが充満する。それでも真っ暗なくらしより、明るい生活である。

ADVERTISEMENT

 ほんで岸田首相、せっかくウクライナに行くんやったら、不肖・宮嶋ええこと教えたら。ウクライナへのおみやげには発電機は喜ばれるど。特にホンダなんかの日本製がええ。使い捨てカイロも喜ばれたど。あと、充電式の電池や車から電源とれるインバーターなんかもや。どうせ政府専用機で荷物超過料金もかからんし。

日本語が書かれているものはなんでも大人気。特に使い捨てカイロは停電が多いこのハルキウではありがたがられる ©️宮嶋茂樹

 荷物は若く優秀な政策秘書であられるご長男が運んでくださるんやろ? え? 大事な跡取りは連れていかんて? そなら不肖・宮嶋をシェルパかわりに雇わんか? いや、ところでほんまに行く気あるの? G7サミットをおんどれの選挙区の広島に我田引水したんや。そこでイニシアチブとらんわけにはいかんやろ? ウクライナはかならず議題に上がるで。G7首脳で1人だけ行ってないなんてことになったら、カッコつかんじゃ済まんど。(#2に続く)

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

《戦禍の中の日常》「岸田首相、ウクライナ来たらどや?」不肖・宮嶋が撮った、戦争にへこたれないウクライナ国民の「余裕」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事