漫画家岡崎京子の傑作『リバーズ・エッジ』が二階堂ふみ主演で映画化された(2月16日全国公開)。主人公の女子高生が彼氏にいじめられている少年を助けたことから始まる青春悲劇。監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)、『ナラタージュ』(17)を手掛けた行定勲さんだ。
「僕にとって漫画原作の初映画化になります。20代前半に親しんできた岡崎作品は純文学の先端だと受け止めているんです。性や暴力などいくらでも過激にできる題材を選び取っているのに、漫画ではモノローグと映画や本、音楽のコラージュによってテーマを浮き彫りにしている。言葉に重きを置いている点に強い魅力を感じますね」
多くの文学作品を映画化してきた行定さん。演出面で気を配った点があると語る。
「作者は何を見たのか、それを知るために原作へダイヴしてみるのが僕の演出なんです。今回はロケ地からキャスティングに至るまで作品に忠実に撮るんだと決めました」
世界観の表現のために画面サイズにも工夫を凝らした。
「通常の横長ではなく、横縦4:3のスタンダードサイズで撮影しました。登場人物たちを取り巻く閉塞感を伝えたかったんです。インスタグラム時代ですから、むしろ現代的だと受け入れられるはず。二階堂さんと出逢って2年越しの作品で、原作にとことん従順な映画にした結果、岡崎さんの“平坦な戦場で生き延びる”というテーマが浮き彫りにされたと思います。観客の皆さんがどう受け止めるのか、公開後の反応が楽しみです!」
『リバーズ・エッジ』
2月16日全国公開
http://movie-riversedge.jp/