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「厳重処分」「相当処分」「寛大処分」…起訴の可能性は

「起訴を求める『厳重処分』ではなく、起訴するか否かは検察の判断に一任する、という警察側の判断です。一方で、不起訴を求める『寛大処分』とはしなかったのは、警視庁の聴取に対して山川が『合意があった』と容疑を否認していることが影響しているとみられます」(同前)

 山川は「文春オンライン」の直撃取材に対しても、性的行為は認めた上で、「絶対に無理矢理ではない」と強く主張している。

 起訴されるか、はたまた不起訴か――。今後の検察の判断に注目が集まる状況となった。

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直撃取材に応えた山川選手 ©文藝春秋 撮影/細尾直人

 そもそも強制性交等罪は、2017年、従来の強姦罪から厳罰化される形で、被害者の告訴が必要の無い非親告罪となった。重大犯罪であるが故に、多額の金銭の支払いなどで和解したとしても罪に問えるようにする狙いからだ。

「ただ、今回の件は世間的にもかなり注目されていますし、選手登録を抹消されるなど山川のダメージはかなり大きい。一定の社会的制裁を受けていると見ることもできます。ゆえに通例どおりであれば、起訴の可能性は低いのではないでしょうか。また示談に持ち込めば不起訴の可能性がより高まる」(同前)

WBCでの山川穂高選手 ©時事通信社

 非親告罪とはいえ、検察の判断にはA子さんとの示談が成立するか否かが影響するようだ。しかし、ある捜査関係者はこう明かすのだ。

「和解は少なくとも現段階では成立していません」

「和解は少なくとも現段階では成立していません。一般的には、性被害においては和解に至ることも少なくない。法廷で争うのは、被害者への負担があまりに大きい。衆人環視のもとで被害状況について被害者自ら語る必要があるうえ、勝訴したところで慰謝料はスズメの涙、ということもありえる。

 しかし山川の態度が硬化しており、『無理やりではない』という主張をどうしても崩さない。ただ、本人がどのように考えていようが、A子さんがけがをしている状況から見ても山川側はかなり不利。A子さん側も被害届を出すくらい、処罰感情が強いわけですから。山川の『無理やりではない』という主張を受け入れる可能性は低いのではないか」

 もし起訴となれば、強制性交罪は懲役5年以上と重いため、一発実刑もありえる。そうなれば選手生命が絶たれるどころの話ではなくなる。不起訴だとしても、既婚者でありながら独身女性と性的な行為を行っていたことについてのダメージは相当に大きいだろう。