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ある時は1枚ずつ服を脱いで白く薄い下着姿へ、ある時はゴスロリ姿の“ワンコ”に…多部未華子(34)の“迷い”と3つの転機

2023/05/28
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「当時私は大学生でもあり、(中略)女優業と学業の両立をどうするかをまずは考えたように思います。でもこの時期は、このまま女優として一生やっていくのかどうかをとても迷っていた時期でもありました。自分にとってもよい挑戦の扉を開いていただいたと思っています」

 クランクアップを迎えたときに行われたマスコミ向けセレモニーでは思わず涙する場面もありながら、共演者ひとりひとりに自ら花束を渡し、

「たくさんのキャストの方に囲まれて感じたことは、芝居を楽しんでやられている方が多くて。そういうものを初めて目の当たりにして、いい刺激になりました。お芝居の見方が変わりました。自分にとっては忘れられない出会いになりました」

 と、最後は晴れやかな笑顔で語っている。

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2009年、第2回「ゴールド ドリーム アワード」授賞式で©時事通信社

第三の転機はゴスロリ姿“ワンコ”刑事

 第三の転機は、日本テレビ系で放送された、森本梢子の同名漫画を土曜夜9時のドラマ枠でドラマ化した『デカワンコ』(’11年)。“警察犬並みの臭覚を持つ、ゴスロリファッション刑事”という現実味のない役どころに見事に生命を吹き込んだ。

 この“キャラ立ち過ぎ”ともいうべき主人公刑事、花森一子(通称・ワンコ)役では“コメディエンヌ”としての地位も確立。もちろん『つばさ』の頃からもその資質は垣間見えたものの、この『デカワンコ』で世間にその実力を見せつけた感がある。