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“佐川君”に見る財務官僚「戦う番犬」「吠えない番犬」

“籠池氏”から1年。今度は“佐川君”の出番か

2018/02/24
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「本当の権力をおちょくるピエロは殺されるぞ」。立川談春が文春で紹介した、石原慎太郎と親しくしながらも田中角栄には決して近づくことのなかった立川談志の言葉である。(2017年11月2日号)

収容所のエピソードのような「暗号」と籠池氏

 首相夫人・安倍昭恵から貰いうけた寄付金を、夫人の経営する居酒屋まで返却に訪れるパフォーマンスなどをしていた森友学園の籠池前理事長の今を思うと、つい冒頭の言葉を思い出してしまう。今週の文春「籠池泰典 逮捕200日“同房者”が明かす『獄中生活』」はそんな記事だ。

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 補助金詐取の容疑で逮捕された後、大阪拘置所に移送されたのは昨年7月のこと。以来200日が経つが、いまだに家族との接見が認められない事態が続くなか、記事では大阪拘置所に収監されていた人物が、拘置所内での籠池氏の処遇や様子を打ち明けている。

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 拘禁生活のためか、「最初の頃は『ご馳走様でした』と礼儀正しかった籠池氏も、ストレスからかそのうち何も言わなくなってしまった」とくだんの人物は証言する。また読んだ本を外の家族に宅下げする際、「本に暗号のような文字」が書かれていたため、「意味分らんが念のため消せ」と世話係が命じられていたという。これなど収容所のエピソードのようだ。