文春オンライン
世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」〈寝袋、シューズ、コンロ…〉

世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」〈寝袋、シューズ、コンロ…〉

合計10万円で世界各地で使える「マストなアウトドア用品」#1

2023/06/11
note

3、靴とサンダル:ローカットの登山靴が便利…だが、それだけだと疲れる

 海外取材での靴は悩ましい。都市部と郊外、ジャングルに砂漠と一度の取材でいろいろな場所へ行くので、これが正解という答えはなかなかない。さすがに航空会社の機内誌で豪華レストランを取材に行くような時はフォーマルな革靴も持参するが、基本はローカットの登山シューズを愛用している。

 本格的な登山家や冒険家と違い、長期間のトレッキングをすることはない。ただし取材目的の村まで丸一日、山道を歩くことは多くある。そんな時、街用のスニーカーではやはり足元がおぼつかない。カメラマンなので荷物も重いし、どうしても少し硬めのシューズが歩きやすいのだ。

 ここ数年、愛用しているのがモンベルのクラッグステッパー。いわゆるアプローチシューズと呼ばれるタイプの登山靴で、本格的な山岳地帯へ入る手前までのトレッキングルートで使用されるシューズだ。

ADVERTISEMENT

この数年、足元ではモンベルのクラッグステッパーを愛用

 当然、重い荷物を担いで山道を歩くための靴なので、ソールのグリップ力は高く、そして全体的に硬めに作られている。1万円台で買える、登山靴としては比較的安価なシューズだが、ゴアテックスが使用されていて防水性も高く、熱帯雨林での取材やアンデス高地での移動でも安心だった。

 ただ、いくらローカットとはいえ、硬めの登山シューズをずっと履いているのは疲れるもの。海外の農村や漁村での居候では、家の中でも靴のことが多い。それこそ朝起きてから、夜寝るまで靴を履いているのだから、これはたまらない。

 そこでいつも荷物の中にはサンダルを忍ばせている。サンダルなら軽いし、締め付けられないので楽ちんだ。海外取材も最初の頃は、サンダルなんてなんでもいいやと、取材地近くの雑貨屋で買った便所サンダルみたいなのを使っていた。現地の人はこれ一足で、漁や放牧、農作業にと出ていく。ジャングルだろうが山岳地帯だろうが、砂漠だろうが同じだ。

 しかし都会人の柔な足で、これは辛い。もちろん本格的に遠出するなら、上に書いた登山シューズに履き替えるが、ちょっとそこまで乳搾りなんて時に、いちいち履き替えるのを待っていてはもらえない。

忘れてはいけないのがKEENのニューポート。取材時だけではなく日常生活でも愛用

 そこで購入したのがアウトドアサンダルの名門KEENのニューポート。足が剥き出しのサンダルの良さをそのままに、踵側をしっかりと保持して歩きやすさは抜群。つま先側をソールが包み込むようなデザインが、足先を怪我から守ってくれるのも、荒地での取材ではありがたい。約1万5000円とちょっと豪華なサンダルだが、あまりに使い心地が良いため、海外取材時だけでなく、日常生活でもヘビーユースしている間違いない逸品だ!

写真=阪口克

世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」〈寝袋、シューズ、コンロ…〉

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー