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“遅咲きブレイクコンビ”楽天・村林一輝と小郷裕哉の心に宿る三木肇2軍監督の教え

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/10/04
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「『自分は1軍の選手なんだ』と思い込んでいます」

 一方、大卒5年目の小郷も117試合の出場で打率2割6分5厘、10本塁打、49打点。初の規定打席到達も目前。「まだまだです」と謙遜するが、昨年までとはメンタル面で大きな変化があったという。

「今年は『この試合が駄目なら下に落ちる』とか(マイナスなこと)は絶対に考えないようにしている。レギュラーで出ている人はそういうことは考えないじゃないですか。気持ちの余裕があるというか……」

 これまでは1軍と2軍を行ったり来たり。シーズンを完走したこともない。実績がないから自信も生まれないのは当然だった。だからこそ「『自分は1軍の選手なんだ』と思い込んでいます」。「俺ならできる」といった趣旨の一種の暗示のようなものをかけることによって、己を奮い立たせているといった感じなんだろうな、と私は受け取った。

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 三木2軍監督は日頃のミーティングで「うまい選手じゃなくて、強い選手になれ」と口酸っぱく話していたといい、「三木監督があの時、あんなこと言ってたよなあっていう意味がわかるようになりましたね。ファームにいる時は1軍のレギュラーになるために必要なことを話してくれていた」

「強い選手」=「体の強い選手」という意味合いだけではなく、「ここで結果を出してほしいというところで出せる(勝負に)強い選手」だと説明してくれた。担当記者として間近で見ていて「小郷ならここで打つな」と思うことが増えた(小郷君、お世辞じゃないよ)。三木2軍監督の話にあった「強い選手」になりつつある。

 毎日のように順位が変動する試合が続く。重圧もかかるだろうが、この2人が輝きを放った分だけCSに近づく。最後まで思う存分暴れてほしい。
(※成績は10月3日終了時点)

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