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「愛してる」と言って亡くなった小林麻央さんの最期を作り話だという医師たち

在宅死のリアル──長尾和宏医師インタビュー ♯3

2018/03/13

「こんなに楽に逝くとは思いませんでした」

長尾 なんで在宅死をよかったと思うかというと、病院での死をみんな知っているから。お母さん、お父さん、兄弟などが病院でえらい目に遭って、えらい死に方をして、あれだけは嫌だと思っていた。だけど、家では全く違った。「まさかこんなに楽に逝くとは思いませんでした」「先生、思ったよりずっと楽に逝きました」。ほとんどの人がそう言います。2人、3人と在宅での平穏死を経験した家族は自信満々になりますね。もう分かっているから。でも、初めての人は全員ビックリする。「人ってこんな楽に死ねるんですか」と。異口同音に言うんです。だから、死んだ瞬間に笑顔になる。「先生、朝ご飯食べませんか?」。そう言われることもある。ほんとに、そんな感じなんですよ。

鳥集 まさに、死が日常の中にあるという感じですね。この『痛い在宅医』の中には、〈正しい在宅医選び10カ条〉も記載されています。

長尾 はい、まずは看取りの実績が多い医師を選ぶことが大切です。それには、僕が監修した『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん』(週刊朝日ムック)が参考になりますので、精読することをおすすめします。また、24時間対応の内容や、診療所の医師数も確認してください。それから、家族だけで受診して在宅医と話し、医師との相性を確認することも重要です。可能なら、訪問看護師さんやケアマネージャーさん、それから実際に在宅看取りを経験したご家族から話も聞いてみてください。

鳥集 多くの人が「よかった」と思える看取りができるよう、在宅医療のレベルアップを望みたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

長尾和宏(ながお・かずひろ)

医学博士。医療法人社団裕和会理事長。長尾クリニック院長。一般社団法人 日本尊厳死協会副理事長・関西支部長。関西国際大学客員教授。2012年、『「平穏死」10の条件』がベストセラーに。近著に『痛くない死に方『男の孤独死』『薬のやめどき』『抗がん剤 10の「やめどき」』(以上、ブックマン社)『病気の9割は歩くだけで治る』(山と渓谷社)『犯人は私だった!』(日本医事新報社)など。

痛い在宅医

長尾 和宏(著)

ブックマン社
2017年12月21日 発売

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