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SMAP解散時、スポーツ紙と事務所の「異常な近さ」を感じたが…新聞各紙は「マスメディアの沈黙」をどう報じたか《ジャニーズ性加害》

2023/09/12
note

『メリー副社長ハワイ入り』(8月16日)

《ジャニーズ事務所のメリー喜多川副社長(89)が、11日にSMAP解散が正式に決定した後、休暇のためハワイ入りしていたことが15日、分かった。》

 さらに、

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《一方、木村拓哉(43)は今月初めにハワイ入り。家族とバカンスを過ごすことが目的で、メリー副社長らとは合流していない。》

一体どっちが本当なのか

 いかがだろうか。スポニチだけを読んでる人は「だからどうした」という内容である。しかし前日の日刊スポーツの記事を知る人はギョッとする。一体どっちが本当なのかと。

 つまり、スポニチの記事は日刊スポーツ記事の「火消し」だったのであろう。キムタクのイメージを守ったのである。

©文藝春秋

 どちらの情報が正しいかわからないが、こんなことが起きるのはジャニーズ事務所のメディアコントロールが機能していたからだろう。この当時のスポニチは事務所と近かった様子がうかがえた。

 では今回のジャニーズ事務所会見、スポニチはどう書いたか。

『“父”ジャニー氏の性加害断罪 東山新社長「鬼畜」』

『「人類史上最も愚かな事件」とも…バッサリ』(9月8日)

「鬼畜の所業」など、東山紀之新社長がジャニー氏の性加害について答えた言葉から見出しを付けていた。さすがに厳しい。一方で「断罪」「バッサリ」など東山新社長を褒めているようにも読める。

 では東山体制はどうなるのか。変わるのか変わらないのか。会見というセレモニーだけで終わるのか。メディアは「なぜ報じてこなかったのか」の検証と同時に「これからどう報じるのか」も個別にチェックされるのです。

SMAP解散時、スポーツ紙と事務所の「異常な近さ」を感じたが…新聞各紙は「マスメディアの沈黙」をどう報じたか《ジャニーズ性加害》

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