ジャニーズ事務所の記者会見が9月7日におこなわれました。新聞読み比べがライフワークの私としては「マスメディアの沈黙」について新聞がどう報じたか気になります。「マスメディアの沈黙」とは、故ジャニー喜多川氏の性加害疑惑をメディアが沈黙してきたことについて、再発防止特別チームが指摘した言葉である。
報告書が公開された翌日、皮肉だったのは朝日新聞の1面だった(8月30日)。朝日に取材されたジャニーズ事務所は提言を「真摯に受け止め」と答えているのだが、その下のコラム「天声人語」はマスメディアの沈黙について、
《真摯に受け止めなければいけない》
と書いていたのだ。ジャニーズも朝日新聞も「真摯」そろい踏み。政治家の言い訳みたいだ。寄ってたかって安く使われて「真摯」がかわいそう。
新聞各紙の社説をチェック
では「マスメディアの沈黙」という指摘に関して、各紙の社説はどう書いたか。
朝日新聞は、
《朝日新聞を含むメディアは、報道や取引関係を通じて働きかけることができたのに、それをせず、社会の無関心を招いた。性暴力が深刻な人権侵害との認識を持てなかった過ちを、深く省みなければならない。》(8月31日)
「朝日新聞を含むメディアは」というが、ここは「朝日新聞は」でいいじゃないか。姑息だ。
毎日新聞と東京新聞は、
《重く受け止めなければならない。》(毎日新聞8月31日)
《重く受け止めなければならない。》(東京新聞9月5日)
重く受け止めたみたいだが、こういう場合「軽く受け止めた」と書くわけがない。
産経新聞は、
《この厳しい指摘には、抗すべき言葉もない。産経新聞をはじめとする新聞、テレビがこの問題の報道に及び腰であったことは事実である。》(8月31日)