昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

大谷翔平フィーバーを現地徹底取材してわかった「愛される理由」

「二刀流」挑戦は、どう受け止められているのか

2018/03/27

 メジャーリーグのシーズン開幕が秒読み段階に入った。

 ロサンゼルスの中心部から車で約1時間、ディズニーランドのお膝元アナハイムにあるエンゼル・スタジアム。球場入口に向かうと、漢字で大きく書かれた“大谷翔平”という名前がいきなり視界に飛び込んできた。エンゼルスの6人の主力選手の写真と並んで、大谷翔平選手の名前が掲げられているのだ。

エンゼル・スタジアムの入り口には、早くも大谷翔平の名前が

チームショップの店内は“大谷尽くし”

 チームショップの前には、Ohtaniのロゴ入りTシャツがラック一杯に吊るされている。店内に入ると、真正面にOhtaniコーナーが設置され、ペナントやバッジ、ステッカーなどが並んでいる。壁にはロゴ入りジャージーやチームユニホームが飾られ、子供用まであった。店内はまるで“大谷尽くし”だ。しかも、大谷グッズはエンゼルスの主力外野手トラウトグッズと並んで売られている。そんな大谷グッズを手に取るファンたち。多くが、日本から来たという大谷選手と同年代の若者だ。彼らが大谷選手に声援を送る。

店内にはOhtaniコーナーもある

「ディズニーランドに来たついでに寄りました。熊本大学でピッチャーをしていたので、大谷選手はずっと注目してきました。今はまだ実力を発揮できていないようですが、大いに期待しています」(井ノ上龍登さん、23歳)

「大谷選手は、バッティングもピッチングも調子がよくないですが、イチロー選手も開幕前はあまり評価が高くなく、開幕してから調子が上がったと聞いています。まだ慣れるための期間だと思うので、これからが楽しみです」(衛藤舜さん、23歳)

「ワシントン州に留学中で、春休みの旅行を利用して球場に来ました。いとこや家族に大谷選手のロゴ入りユニホームやTシャツを買いました。中学時代ソフトボールをしてたので野球はよく観ています。大谷選手は左ピッチャーに弱いようですが、アメリカでも認められるよう頑張ってほしいです」(伴奈那子さん、20歳)

留学先のワシントン州から駆けつけた伴奈那子さん

大谷のサイン入りカードは2000ドルまで値上がり

 地元アナハイムのスポーツ用品店にも大谷グッズが登場しているが、どこも品薄状態だ。

「入荷したTシャツは売り切れてしまい、次の入荷を待っているところです」

 とスポーツ・トレジャーズ店員は嬉しい悲鳴を上げる。

 スポーツカード専門店でも、大谷選手のサイン入りベースボールカードの価格が跳ね上がっている。

ルーキーながらベースボールカードは人気高騰中

「大谷選手のサイン入りベースボールカードは入手困難になっており、上は2000ドルくらいまで上がっています」

 と話すのはアベレージ・ジョーズ・スポーツカード店の店主ジョゼフ・フェネル氏。来店していたエンゼルスファンのエリック君も興奮を隠しきれない。

「開幕前なのに、サイン入りベースボールカードが1000ドル以上になっているなんて凄い!」

大谷は“ハードワーク”という日本の精神を持っている

「絆」のコーディネーターたち。中央がミシェル・ヤマシロさん

 ロサンゼルスの日系人社会も大谷選手への期待は大きい。その理由について、日系人の若者たちに日本文化の継承を促すプログラムを提供している日系人支援団体「絆」でコーディネーターを務めるミシェル・ヤマシロさんがこう説明してくれた。

「野球は日系人にとって重要な文化なのです。第二次大戦中、強制収容所に入れられた日系人は、収容所近くに球場を作ってプレイすることで、厳しい収容所生活に希望を見出していたからです。大谷選手のように“ハードワーク”という日本の精神を持って夢を果たそうとしている日本人の活躍は、日系人の子供達に大きな励みを与えてくれると思います」