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「アジア人だからとらせたくないんだ」大谷翔平が2年前にホームラン王を“獲得できなかった”背景〈2度目のMVP受賞〉

『大谷翔平は、こう考える 不可能を現実に変える90の言葉』より #2

2023/11/25
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 大谷自身、敬遠の増加にトラウトの離脱があったことを理由として挙げたうえで、「でも、ああいう感じは新鮮でしたよ。その経験がメジャーリーグでできると思っていなかった」と振り返っています。さらにこうも付け加えています。

「今後のことを考えればいい経験ができたと思っています」

 2023年の快進撃にはこの時の経験も生かされているはずです。

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©文藝春秋

大谷翔平の魅力は楽しそうに野球をしているところ

 野球でストレスを感じるって、いいところだと思うんですよ。

 毎日毎日、結果が出て、良かった悪かったと思える職業ってあんまりないでしょ。

 そこが楽しいところだし、キツイところでもある

(「Number」1040 P9)

 大谷翔平の魅力の1つは、真剣でありながらも、楽しそうに野球をしているところにあります。いつもにこやかな表情をたたえ、礼儀正しさを失わないのが多くの人に愛されるところでもあるのでしょう。

 しかし、そんな大谷もストレスを感じている時には「苦しい夢」をよく見るといいます。大谷によると、野球の夢もよく見るようで、一番多いのは、ライト前にヒットを打ったにもかかわらず、水の中を走っているような感じで、足が少しも前に進まず、一塁でアウトになる、というものです。

 シーズン中、思うような結果が出ていない時に見るといいますから、大谷が感じているストレスの大きさが容易に想像できます。にもかかわらず、こうも言っています。

「いい結果が出ていない時には精神的なストレスを感じています。でも野球でストレスを感じるって、いいところだと思うんですよ。毎日毎日、結果が出て、良かった悪かったと思える職業ってあんまりないでしょ。そこが楽しいところだし、キツイところでもある」

 大きな期待とプレッシャーの中で闘い続けるのは大変なはずですが、それを「楽しいところ」と言えるからこそ、大谷は結果を出し続けることができるのです。

「アジア人だからとらせたくないんだ」大谷翔平が2年前にホームラン王を“獲得できなかった”背景〈2度目のMVP受賞〉

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