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ロッテドラ2ルーキー・藤岡裕大が叩き出した「想定外」の数字

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/15
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 ルーキーが鮮烈デビューを飾った。ドラフト2位ルーキーの藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)である。3月30日の楽天イーグルスとの開幕戦で、2番遊撃でスタメン出場をするとヒット、二塁打、三塁打とホームランさえ出ればサイクルという活躍をいきなり見せた。

 しかし躍動はグランドだけでは終わらなかった。場所はZOZOマリンスタジアムに隣接するグッズショップ。この日、発売されたフェイスタオル500枚が一日であっという間に完売をしたのだ。この他にもオリジナルTシャツもほぼ完売。開幕戦のグッズ売り上げ選手部門で堂々の1位。2位がプロ25年目、2000本安打を目前に控える福浦和也内野手と5年連続で140試合以上の出場を続けている鈴木大地内野手。ロッテのスター2人を押しのけて新人選手が圧倒的な数字をたたき出した。

「期待はしていましたが、さすがにこの数字は想定外です。開幕の少し前ぐらいから開幕スタメンの報道が出始めたぐらいから問い合わせが増えるようになりました。当日、3安打をして数字が跳ね上がりましたね」

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 グッズ担当者はホクホク顔で、そのように振り返る。

 開幕までは高校ビック3として履正社高校からドラフト1位で入団をした安田尚憲内野手のグッズがメインで展開され、注目を集めていた。しかし、開幕スタメンデビューでいきなりの大活躍を見せた藤岡裕は、やはりファンのハートをつかんだようだ。

 元々、球場のグッズは試合展開が反映しやすい。勝てば負けた日の平均で25%は売り上げが伸びる。当然、初めて目にした新人が躍動する姿を目にしてしまうと期待をこめて買わずにはいられないというのがファン心理だろう。そして、その顔つきがまた凛々しい。老若男女。いろいろな思いを込めて、きっとレジに並んだのであろう。

ドラフト2位ルーキーの藤岡裕大とオリジナルグッズ ©梶原紀章

右肩上がりで収益を伸ばすグッズ売り上げ

 ちなみにロッテのグッズ売り上げは現在、右肩上がりで収益を伸ばしている。直営でビジネスを行うようになった06年から比べると約10倍の売り上げ。チームが最下位の昨年ですら、これまでの最高収益を達成している。球団全体の売り上げの約10%を占めるが年々、その存在感は増している。それに応えようとグッズ担当は日々、アンテナを張り、海外スポーツから国内の他球団の動き、他のプロスポーツのグッズなど、さらにはスポーツ以外の流行りグッズまで研究も怠っていない。

「ファンのニーズにあったものを開発するのが大事。ファンの方の声をしっかりと拾えるか。あとは話題性、タイムリーさ、スピードも大事にしています」(グッズ担当者)

 これまでは企画担当者は1名だったが今年からはアンテナ数を増やすという意味合いもあり女性担当者も含め4名体制で新商品の企画、開発を行っている。それもあってロッテではファンに飽きさせないようにほぼ毎カードと言ってもいいくらいの割合で新グッズを展開している。

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