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開幕3連戦を終えて ロッテ・鈴木大地の想い

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/05
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 千葉ロッテマリーンズの背番号「7」、鈴木大地です。内野手をしています。梶原(紀章)広報の方から開幕3連戦が終わった後に突然、「文春でコラムを書いてよ」と振られてパソコンを渡され、まだ開幕カードが終わった試合後の熱気が残っている中で、書かせていただくことになりました。

 普段から梶原広報の書く文春コラムは読んでいたので、どのような媒体なのかはイメージが湧くのですがいざ、書いてみろと言われると困惑しました(しかも、いきなり急に)。ですのでとりあえずシンプルに井口資仁監督のスタートとなったこの開幕3連戦の選手である私が今思う素直な感想を書かせていただくことにします。

昨シーズンまで4年連続でキャプテンを務めていた鈴木大地 ©文藝春秋

シートノックで受けた大きな拍手

 まず、なんといってもチームの雰囲気がとてもいいです。ベンチが明るいですし、よく声が出ています。キャンプから首脳陣に「とにかく明るくいこう」、「声を出そう」と言われていました。キャンプでは今までにない活気で練習をしてきたのですがその手ごたえというのは正直、自分たちには分かりませんでした。それを感じることが出来たのが石垣島キャンプを終えて沖縄本島に移動しての練習試合の時です。

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 2月21日にコザで広島戦。22日に北谷で中日戦を行いました。あれは忘れもしない試合前シートノックが終わった時です。自分たちが大声を出しながらノックを受けているのを見ていたスタンドのお客様から自然と大きな拍手が沸き起こったのです。コーチからも「ノックで拍手が起こるなんてすごいなあ」と言われました。ああ、自分たちの声はスタンドのファンにも届き、共感を持ってもらえたと凄く自信が湧きました。これから長いシーズン、悪い状態の時は必ず来ると思います。そんな時はあの日、シートノックで受けた拍手を思い出したいです。それが自分たちの原点だと思います。

 残念ながらシーズン開幕戦を落としてしまいましたが、翌日の試合前円陣で鳥越(裕介)ヘッドコーチが「打席に入って一人だと思うなよ。みんなベンチから大きな声を出して後押ししてくれている。みんなで戦っているんだ。一人じゃない。一人で背負い込まなくていいぞ」という話をしてくれました。あの言葉で、すごく選手たちは楽になりましたし、キャンプからずっと続けてきた自分たちの野球のスタイルの原点を思い出すことが出来たと思います。

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