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「政治と金の話」なのに、いつのまにか…自民党「裏金」問題で行われた「論点のすり替え」のズルさ

2024/01/30
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『萩生田光一氏、キックバックは5年で2728万円…報告書に記載せず』(読売新聞オンライン1月22日)

 自民党安倍派の萩生田光一・前政調会長は22日に国会内で記者会見し、同派の政治資金パーティーを巡り、2018~22年の5年間で、パーティー券販売のノルマ超過分として派閥からキックバック(還流)を受けた計2728万円を政治資金収支報告書に記載していなかったと明らかにした。

萩生田紘一 ©文藝春秋

 この会見をした日付に注目してほしい。1月22日は萩生田氏の地元・八王子市の市長選の翌日だった。市長選は萩生田氏が推した候補が勝利したが、選挙が終わったとたんに萩生田氏は「キックバックは5年で2728万円、不記載」と報告してきたのである。こういう振る舞いを平然と仕掛けてくるのだ。

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安倍派幹部らの「言い訳」

 さらに、裏金を受け取っていた安倍派幹部らの「言い訳」は一致する。

《裏金の存在を把握していなかったことを強調し、秘書らに責任を押しつけるかのような姿勢が目立つ。》(朝日新聞1月23日)

 記事からまとめると、

「詳細まで把握していなかった」(萩生田光一氏)
「政治資金の管理は秘書に任せきりだった」(世耕弘成氏)
「秘書にはノルマ分を売ればよいと伝えており、還付金は把握していなかった」(西村康稔氏)

 松野博一氏に至っては会見を開かず、ホームページにコメントを掲載。

「還付金があれば、政治資金収支報告書に記載するなど適正に処理されているものと認識していた」

 ああ、同じだ、あのときと同じ。