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〈「美ゴリラ」で本人が爆笑〉広瀬すずへの劣等感、過食とダイエットの繰り返し、突然の休養…広瀬アリス29歳が“コメディエンヌになるまで”

2024/02/18
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 女優デビューは08年。当初は別名義で活動していたが、事務所の社長から突然「今日からアリスよ!」と命名されたエピソードはよく知られている。15歳で連続ドラマの主演に抜擢、19歳で映画『銀の匙 Silver Spoon』(14年)でヒロイン役を演じるなど、女優業も順調に見えたが、この頃から広瀬は「暗黒期」へと突入していく。

「人生を変えたいって思ったことはありました」広瀬アリスが振り返る“暗黒期”

「人生を変えたいって思ったことはありました。一番大きかったのは、20歳過ぎぐらいの頃で、まさにその当時は暗黒期。たくさんの大人に怒られてばかりで、常に劣等感を抱いていて」(arweb 23年12月2日)

 広瀬は10代後半から20代前半の自身を「暗黒期」と呼ぶ。何もかも嫌になり、不満や苛立ちを常に抱えていた。事務所に呼び出されても、隙を見つけて逃げ出してしまい、見つかってまた怒られることもあった。「辞めます」と言ったことも何度となくある。

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「暗黒期」の原因は複数ある。仕事がうまくいかないことへの焦り、体型へのコンプレックス、そして妹・広瀬すずへの劣等感だ。

2015年、CM発表会で妹の広瀬すず(右)と

大御所の前で24テイクを重ね、食事のコントロールに苦しみ泣きながら食べることも…

 女優の仕事はコンスタントに続き、演技に没頭したが、他人と比べて「自分はなぜ上手く演じられないんだろう」と落ち込み、自暴自棄になった。大御所俳優の前で24テイクを重ねて号泣したこともある(マイナビニュース 22年4月24日)。

 ブレイクしていく女優たちと自分を比べることも多かった。「同世代の女優さんがワーッと出始めた時期は、自分はなぜこんなところで足踏みしているんだろうとずいぶん焦りました」(THE NIKKEI MAGAZINE 23年11月17日)。

 体型へのコンプレックスもあった。バスケをやっていた頃は、ごはんをどんぶりに5杯食べており、芸能の仕事を始めても食事量を変えられず、そのまま太っていった。他のモデルが着られる衣装が全然入らなかった(telling, 22年1月16日)。

 女優の仕事を始めてからも、地方ロケに行くたびに体重を増やしては事務所で叱られていた。そのため、3日ほど何も食べずにドラマの撮影に臨んだこともある。

 腹いっぱい食べる夢を見て、驚いて飛び起きるような毎日。突然コンビニやスーパーで食べものを5000円分ほど買い込み、泣きながら食べることもあった(『アナザースカイ』23年4月21日)。