季節外れの大雪となった3月21日。今年で女優生活60周年を迎える岩下志麻さんがその女優人生を語り尽くした『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』の刊行を記念し、著者である映画史研究家・春日太一さんとのトークイベントが開催された。

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「トークイベントは初めてなんです」

『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』(春日太一 著)
『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』(春日太一 著)

岩下 みなさん、今日はお天気が悪い中いらしていただいて本当にありがとうございます。よろしくお願いします。

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春日 岩下さんは現場でも晴れ女だということですが……。

岩下 そうなんですよ。こんな天気初めてで。春日さんがたぶん雨男なんだなと思いました(笑)。

春日 私は雨男ならぬ雪男というところがありまして、映画や時代劇の現場取材で嫌がられたりすることもありました……。

岩下 やっぱりそうだったんですね。

春日 わたしの低気圧が岩下さんの晴れ女に勝ってしまいまして、みなさん申し訳ありません(笑)。今日、早い方は開場の3時間前からお並びになってということですから、みなさんの凄まじい熱気が伝わってきます。岩下さんはこういった書店イベントは初めてとうかがっています。

岩下志麻さん ©志水隆/文藝春秋

岩下 初めてなんですよ。だからイベントがどういうものかわからないので今日は緊張しちゃって。春日さんは慣れていらっしゃるでしょう。

春日 いや、今日はいつもの雰囲気と違って、一段とみなさんの圧があるような感じがあります(笑)。今回は岩下さんの女優生活60周年にあわせて本を出させていただいたのですが、あらためてできあがった本をご覧になってどう思われますか?

岩下 デビューしたころの作品、思い出の作品、代表作、本当にたくさんの作品についてインタビューをしていただいて感激いたしました。春日さんには感謝しております。

春日 いえいえ、今回は本当に手間のかからない仕事でして……。

岩下 えー、そんなことないでしょう。