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《追悼・山本陽子さん81歳》2人の元カレ、大スターとの仲も…波乱万丈だった「悪女」の人生

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 映画『華麗なる一族』やドラマ『黒革の手帖』で知られる俳優の山本陽子さんが、81歳で亡くなったことが分かった。

 70歳のときに「第二の人生を謳歌するため」と熱海市に移住。今月2日には「徹子の部屋」に出演し、「健康である限り、いろいろな役に挑戦したい」と今後の女優業にも意欲を見せていた。当時の記事をあらためて配信する。

(初出:「週刊文春」2024年2月15日号。年齢、肩書き等は当時のまま)

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 2月2日の「徹子の部屋」に芸能生活60年を迎えた山本陽子(81)が出演。日活時代からの盟友である高橋英樹と昔話に花を咲かせた。

「着物姿から漂う凜とした佇まいは昔から変わらない。高橋は山本の気風を指して『男みたいな人』と笑わせた」(放送記者)

 高校卒業後に野村證券に就職。当時の同僚がいたずらで山本の履歴書を日活に届けたところ、思わぬ合格を果たした。映画デビューは21歳の時だった。

「当時の日活は吉永小百合、松原智恵子、和泉雅子ら『日活三人娘』を中心に回っていて、山本は役に恵まれなかった」(映画関係者)

政治家の愛人疑惑もあった ©文藝春秋

「地味なOLが次第に悪女になり、銀座のクラブのママに…」

 思い悩んだ末、山本は映画界では格下扱いだったテレビドラマに進出。

 果たせるかな森繁久彌の「続・七人の孫」出演が吉と出る。ドラマを見た山本海苔店の社長が「きれいなだけでなく、さっぱりしたところが商品イメージにぴったり」とCMに起用。以降、50年以上にわたりスポンサードを続け、契約年数世界最長としてギネス記録にも認定された。

 茶の間の顔になった山本はNHK銀河テレビ小説「となりの芝生」など、主演作が増えていく。2時間ドラマから時代劇まで活躍の場を広げた。

「おしとやかな役の多かった私の転機になった」と語るのは82年の主演ドラマ「黒革の手帖」である。

「地味なOLが次第に悪女になり、銀座のクラブのママになっていく様を体当たりで演じた。一時は悪女といえば山本という時代があった」(テレビ誌記者)

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