福田財務次官が辞意を表明した翌日、4月19日の産経1面は「福田財務次官 更迭」の見出し。

  さらには「遅きに失した対応 政権に打撃」の小見出しのあと、

首相は週刊新潮が12日に福田氏のセクハラ疑惑を報じたことを受け、辞任は不可避とにらんでいた。真偽は不明だとしても13日には発言の音声データまで公開され、ワイドショーが連日報じる事態となった。

 首相は「早く辞めてもらうしかない」と周囲に漏らし、菅義偉官房長官とともに15日の段階で福田氏更迭を決断。》

 と解説。

「オレ聞いてたもん」と大声で叫ぶ産経師匠。私にとっては、あくまで「更迭」にこだわる産経師匠の意地というか頑固さが見えてたまらなかったのである。

 ではなぜ、産経が「更迭」にこだわったのか。理由を振り返ってみよう。

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財務省トップの「全面否定」に、スポーツ紙もざわつく

「全面否定」。大きな文字が躍る。

《「今日ね、今日ね、抱きしめていい?」「胸触っていい?」など、「週刊新潮」で女性記者へのセクハラ疑惑を報じられた福田淳一財務事務次官が16日、「このようなやりとりはしたことはない」と全面否定した。「名誉毀損(きそん)に当たる」として提訴の準備を進めているという。》(日刊スポーツ 4月17日)

 予想外の展開に他紙も紙面で驚いた。

「セクハラ報道に次官逆襲」はサンスポ、「霞が関文学的に!? 音声データも疑惑も否定 セクハラ? 次官『お店の女性と言葉遊び』」はスポニチ(4月17日)

 福田氏のおもな主張をスポニチから抜粋すると、

「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」

「音声データにもそのような店で女性記者と会食した覚えもない」

「女性が接客するお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむことはある」

辞任会見する福田財務次官 ©時事通信社

 勝手に行間を読めば、「あの音源はお店の女性と言葉遊びを楽しんだ際のものかもしれないが、女性記者とは言葉遊びしていない」だろうか。