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「絶好調? とんでもない!」西武・辻監督が語る圧倒的強さの理由

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/05/01
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「絶好調? とんでもない!」と辻監督

 今季ここまでの戦いぶりを見ていて印象深いのが、たとえゲーム序盤で大量リードを奪っていても、中盤、終盤と、決して攻撃の手を緩めず、貪欲に点を奪いに行っていることだ。その点についても、辻監督はきっぱりと断言する。

「うちが8点差をひっくり返したように(4月18日の日本ハム戦)、そういうことがあり得るからね。貪欲に貪欲に、慢心せずに次の1点を取りに行くことが大事。それと、良い時こそ、オーバースウィングなど、変なバッティングをしたら、バッティングが崩れますよというところ。だからこそ、1打席を大事に大事にしなければいけない」

 この、相手に戦意を喪失させるほど完膚なきまでに強さを示す隙のなさこそ、まさに黄金期に見た王者・西武ライオンズの姿ではないだろうか。その中で中心選手として活躍した辻監督によって、今、その勝者のメンタリティーが若獅子たちに植え付けられつつある。

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 今春、南郷キャンプを視察に訪れた後藤高志オーナーへ、2年目監督は宣言した。「どんなに負けていても、最後までお客さんが帰らないチームを作り上げます」。そして、ここまではその言葉通りのチーム作り、戦いぶりが実現できている。

 パ・リーグ打率10傑の中に、山川、秋山翔吾、森友哉、浅村、源田壮亮、外崎修汰と、西武から6選手が名を連ねるが、「絶好調? とんでもない! こいつらには伸び代がまだまだあるよ。秋山だってまだまだ全然本調子だなんて思わないし、『普通』って感じ。源田も普通。外崎はむしろ調子が悪いぐらいだし、金子(侑司)も今まで悪かった。こういう奴がまだまだこれから上がってくると思う。でも、何よりも、勝ってるのも当然あるだろうけど、選手たちが楽しそうにやってるように見えるから、『あぁ、いいなぁ』って思うよね」。

 そう言って嬉しそうに笑うと、いつものように練習する選手たちの元へと歩み寄って行った。内野ノックでミスをしている選手にはチャチャを入れながらアドバイスをし、試合に出ていない選手にはあえて声をかけ、「常に見てるぞ」と遠回しに伝えてあげる。

 実は、選手に対する辻監督のこうした姿勢こそ、今年のライオンズの強さの一番の秘訣のような気がしてならない。

【動画】辻監督が絶賛した4月28日楽天戦、浅村の3ラン

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