大学入試改革が目前となり、受験生をとりまく環境があわただしい。とくに目玉の英語検定試験の導入は「参加しない」としていた東大が一転、導入の方向で検討すると表明したことで、ようやく具体的な対策が立てられるところにたどり着いた。これからの「不安を払拭する手立て」を、『英語革命2020』の著者・安河内哲也さんに示してもらった。
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東大が不参加から一転、導入検討「4技能検定試験」
センター試験に代わり2020年度から始まる大学入試共通テストでは、特に英語の試験に大きな改革がもたらされることが決まりました。入試に「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測る民間の検定試験(英検やGTEC CBT、TEAPなど7種)を導入することになったのです。私は文科省の委員として、これまで、この改革に関わってきました。
さる3月に7種の民間試験が認定されると、東京大学が「4技能試験が導入されても合否判定に使わない」と表明しました。が、4月末になって「国立大学協会や他大学と協議した結果、民間試験への懸念がある程度解消された」として方針を転換しました。影響力のある東大が方針を転換したことで、文科省、大学入試センター、国立大学協会を中心に、多くの大学で方針が統一されたこととなります。2年8ヶ月後の施行に向けて大きく動き始めることとなります。