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「加計学園」理事長の記者会見 不信感しか残らなかった原因とは?

臨床心理士が分析する

2018/06/20

 さすが学校法人「加計学園」を西日本有数の学校法人グループへと成長させた人物と皮肉のひとつも言いたくなる。問題が報じられて以降、自分が初めて公の場に姿を現すには、今が絶好のタイミングだと読んだのだ。

取材できたのは地元メディアのみ

会見に臨んだ加計孝太郎理事長 ©共同通信社

 理事長である加計孝太郎氏が緊急会見を開いたのは、岡山にある加計学園本部。6月18日の朝に起きた大阪の地震にメディアはどこもかかりきり。せっかく大手メディアが駆けつけても、取材できたのは地元のメディアのみ。その会見も「校務があるから」と25分で切り上げられた。

 内容はというと、愛媛県や今治市に虚偽の報告をした件について、当該職員と理事長について処分が決まったという報告。担当者が虚偽報告をしたと学園側が発表したのは5月26日。それから数週間経っているのに、今になってわざわざ緊急理事会を開き、緊急会見を行った。

 どんなことでも、自分にプラスになるように利用する。このタイミングの緊急会見に誰もが、保身のためというより、これで問題に区切りをつけ、次へと進めるための策士的な計算を感じたのではないだろうか。それだけに、会見中の態度を見ても、真実を話そうという意識が感じられなかったのだ。

書面をもつ手が震えている

 冒頭、やや緊張した面持ちで用意してきた書面を淡々と読み上げた加計理事長。続けて一緒に会見に立った岡山理科大学の柳澤康信学長が、獣医学部の今後の役割について書面を読み上げた。人前で話すことなど馴れていると思うのだが、書面をもつ手が震えている。なぜそこまで学長が緊張しているのだろうと、少々訝しくなる。

 もとより、これまでの経過から、加計理事長に対しては疑念や不信感を持っていた。そこにこのタイミングでの会見だ。いいイメージを持てるはずもない。なのに質疑応答が始まると、加計理事長は記者に向って、やや斜に構えて顎を上げて立っていた。この姿勢は、相手を見下しているような印象を与える。理事長の立ち方の癖かもしれないが、いかにも尊大な権力者のイメージが強くなった。

 質疑応答が始まると、加計理事長の顔には汗が吹き出し、瞬きが増えていく。見ている側は、そこに欺瞞のサインが表れていると感じるだろう。

 嫌な質問には、答えながらもすっと視線を質問者から外していく。答える度に身体が大きく前後左右に揺れるのも、不安や動揺と捉えられやすい。

 動揺すればそれだけ揺れは大きくなるが、人は嘘をつこうとする時、ついている時は、身体の動きは逆に小さく、少なくなると言われている。「事務局長が勝手にやったという認識か」と聞かれ、「はい、そうです」と答えた時は、逆に身体がほとんど揺れなかった。その後も問題の核心に触れるような質問に答えている時は、身体の揺れが小さくなる。動きが多くなる方に目が向きがちだが、見ている側はそんな動きの変化を敏感に感じ取り、はっきりはわからないが何かがおかしいと思うものだ。

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