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真中満氏が語るスワローズ後半戦のキーマン・西浦直亨の「打力、守備力、歌唱力」

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/07/05

 昨年まで、東京ヤクルトスワローズを指揮し、2015年にはリーグ優勝も果たした真中満氏が文春野球に参戦。交流戦勝率1位に、俄然テンションが上がる前監督が、四半世紀にわたるヤクルト愛と、関係者しか知り得ない情報を武器に、古巣に愛を込めたエールを送る!

真中満氏 ©長谷川晶一

改めて、「交流王」の要因を振り返る

――交流戦では、見事な勝率1位でしたよ、真中さん!

真中 うん、強いね。ホントに強いね。嬉しいよね。打線もうまくつながっていたし、投手陣は先発も中継ぎ陣もしっかりしていたし、「勢い」ではなく、「実力」で勝った気がするよね。後ろの3人(中尾輝、近藤一樹、石山泰稚)がしっかりしていたから、先発投手も思い切って代えることができましたからね。仮に早々に降板しても、じっくりと粘り強く反撃を待つ態勢が整っていたし、負けた試合でもきちんと追い上げムードも作れたしね。

――札幌ドームでの対北海道日本ハムファイターズ戦も、敗れはしたけど、15日の試合は一時は同点に追いついたし、16日の試合も終盤までもつれた試合でしたからね。

真中 負けた試合も、簡単に負けるんじゃなくて、選手たちの執念が見える試合が多かったから、この点も見逃せないし、これはやっぱり「勢い」じゃなくて、「実力」だと言っていいんだと思いますよ。

――交流戦前までは借金9の最下位だったチームが、交流戦を機に浮上のきっかけをつかんだのはどうしてでしょう?

真中 開幕当初はカラシティーをクローザーにして、3~4試合失敗はしたけど、仮にこれらの試合を取っていれば5割前後だったわけだから、昨年と比べてもチームの実力は底上げされていたんです。たまたまカラシティーのクローザーはうまくいかなかったけれど、交流戦期間中に、中継ぎ以降がきちんと確立されたことで、勝ち星を拾えるようになったことが大きいんじゃないのかな? 

――そもそも、打撃陣はかなり厚みを増していたわけだし、実力はあったということ?

真中 この連載でも以前に言ったけど、投手陣に不安があるのは事実だけど、手薄な台所事情の中で、先発陣も中継ぎ陣もみんなが頑張ってつかんだ「交流王」という称号だったんだと思いますよ。先発では、ブキャナンがしっかり回って、ハフもようやく勝てるようになってきた。そこにライアン(小川泰弘)が復活してきた。交流戦だけじゃなくて、後半戦も期待できる陣容になってきたと思いますよ。

――あとは、登板過多となっている中継ぎ陣のスタミナが心配ですよね。

真中 そうだね。でも、小川(淳司)監督は、その辺もしっかり考えていますよ。現状では原樹理や風張(蓮)を上手に使っていると思いますね。それに、新外国人・ウルキデスも加わった。ルーキーの大下(佑馬)も上々のプロデビューを飾った。夏場にバテ始めたときに、きちんと代わりの投手が出てくるように、今から準備をしていますよね。

――改めて、交流戦のベストゲームは?

真中 嫌な流れの中で、バレンティンが9回裏に同点ホームランを打って、延長でサヨナラ勝ちした試合があったよね。……あっ、6月7日のソフトバンク戦だ。粘って、粘って、最後は雄平の押し出しでサヨナラ勝利。この試合は選手たちの「あきらめないぞ」という執念とチーム全体の地力を感じさせる内容だったと思います。

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