文春オンライン

辻監督が命名した“獅子おどし打線”は定着するか

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/07/18
note

他球団の「打線名」の記憶

 子供の頃の記憶で、最初に耳にした打線の愛称は、ロッテの前身・大毎の「ミサイル打線」だ。1960年に付けられたので馴染のあるファンは私と同世代のオールドファンだろう。その後、もっとも印象に残っているのが近鉄の「いてまえ打線」。関西のチームならではのネーミングで、細かいことは気にせずガンガン打ちまくれ、という意味でとても分かりやすく、そして定着した。しかし、好投手を相手に打者が簡単に料理されてしまうと「板前打線」なんて揶揄されたこともあった。

 他には、中日の「強竜打線」、オリックスの「ブルーサンダー打線」、横浜の「マシンガン打線」、ダイエーの「ダイハード打線」などが思い浮かぶが、思わずニヤリとしてしまうのが、04年の横浜の「大ちゃんス打線」。当時の山下大輔監督の名前からのものだが。残念ながら強そうな感じは伝わってこない。80~90年代の黄金期の西武打線の愛称はというと、親会社の西武鉄道の特急「レッドアロー」にかけて、チーム色から「ブルーアロー打線」の言葉も短期間目にしたが、定着することはなかった。

 打線名ではないが、黄金期の辻発彦二塁手、石毛宏典遊撃手による4-6-3または6-4-3の併殺プレーを「はっちゃんダブル」とラジオ番組内で広めたことがある。二塁手は名前そのものから、遊撃手は「ハチ」の愛称で呼ばれていたためのもの。ちなみに石毛の愛称の由来は、当初はマユが「八の字」からという説が流れたが、後に小学生の頃、怒ると口をとがらせたことから「タコの八ちゃん」が正解のようだ。まぁ、どうでも良いことだけど。

ADVERTISEMENT

 先日行われた球宴では第1戦が森友哉、第2戦に源田壮亮がMVPに輝いた。今季のチーム運、勝負強さがそのまま表れた形だ。「獅子おどし打線」の力強さの全国の野球ファンに対する強烈なアピールとなった。

球宴第2戦MVPの源田壮亮 ©中川充四郎

※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/7995でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

辻監督が命名した“獅子おどし打線”は定着するか

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!