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脳の密度が低下する?「ゲーム依存」は本当に「病気」なのか

今の時代、子どもからゲームを取り上げるのは「無理ゲー」です。

2018/07/24

 この6月、WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を国際疾病分類(ICD‐11)に加える、つまり今後は「病気」として扱うと発表しました。ニュースに触れて、「もしかしてうちの子もゲーム障害?」と心配になった親御さんも多かったのではないでしょうか。

「ネトゲ廃人」は「ゲーム障害」?

 ゲーム障害の詳しい診断基準はまだ公表されていませんが、WHOは、「ゲームをする時間を自分でコントロールできなくなる」「ゲームを他の興味や普段の生活の事柄よりも優先させる」「その結果、個人や家族、社会、学習、仕事など日常生活に著しく支障をきたしているのに、やめられない、あるいはエスカレートしてしまう」という状態が12ヶ月以上続くことを、ゲーム障害と定義づけています。

 要するに、「ゲームのやり過ぎで家庭や学校、職場に問題が起こり、解決できない状態が1年も続く人は、もう病気と言わざるを得ません」ということだと思います。

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 とくに問題となっているのが、ゲームの中でもインターネットに接続して行う「オンラインゲーム」です。ゲーム上で知り合った参加者とチームを組み、協力しながらモンスターを倒したり、対戦したりする仕組みになっているのですが、途中で抜け出すと仲間に迷惑をかけるので、深夜になってもゲームを切り上げにくいのだそうです。

 また、時間やお金を費やすほど強力なアイテムが与えられ、称号も上がっていくので、寝食を忘れて没頭してしまう人が、中高生だけでなく、大人にも少なくありません。こうしてオンラインゲームにはまってしまった人を、俗に「ネトゲ(ネットゲーム)廃人」と言います。

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韓国で既に施行されている「シンデレラ法」

 韓国や中国では、24時間営業のネットカフェに入り浸った人たちが、3日も4日も不眠不休でオンラインゲームに没頭したあげく、極度の興奮や過労、エコノミークラス症候群などで突然死してしまう事例がたびたび報道されています。その結果、韓国では、16歳未満の場合、深夜0時から6時までの間、強制的にオンラインゲームをできないようにする法案(通称「シンデレラ法」)が2011年から施行されました。最近では、ゲーム産業からの反発もあり、その規制を「強制」から、「親がシャットダウンを選択できる」ように緩和しようという動きがでています。

 日本でも、オンラインゲームにはまって昼夜逆転し、学校や仕事に行けなくなったあげく、ネットを遮断しようとした家族に暴言・暴力をふるうようになって、ネット依存症治療施設に相談に訪れる人たちがたくさんいます。しかし、日本では、未然に「ゲーム依存」を防ぐための取り組みはなく、家庭ごとの判断に委ねられています。