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連載池上さんに聞いてみた。

池上さん、改元の節目に「恩赦」を実施する可能性はありますか?

池上さんに聞いてみた。

2018/07/30

Q 「恩赦」を実施する可能性について教えてください。

 オウム真理教元代表の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚ら、7人の死刑が執行されました。残る6人のオウム真理教元幹部の死刑囚について、改元の節目に「恩赦」を実施する可能性はあるのでしょうか(編集部注:その後、7月26日に法務省が6人の死刑を執行しました)。(20代・女性・学生)

A 被害者がいるような事件で服役している人が釈放されるようなケースは考えにくいです。

 結論から言えば、オウム真理教の死刑囚に恩赦が与えられることはありえません。13人の死刑囚のうち7人は死刑が執行され、残り6人は執行されないというのは、著しく公平を欠くからです。

 という書き出しの原稿を編集部に送ってあったのですが、7月26日に6人も処刑されました。質問も、もっと前に寄せられたものでした。

 恩赦では、被害者がいるような事件で服役している人が釈放されるようなケースは考えにくいですね。被害者感情を傷つけないようにするためです。

 したがって、微罪の人の刑の言い渡しをなかったことにするなどの方策が考えられているようです。

松本智津夫元死刑囚 ©getty

 過去の恩赦ですと、選挙違反で罪に問われた人が対象になることが多いですね。「選挙違反に被害者はいない」などと考える人たちがいるからです。選挙違反事件の被害者は「民主主義体制」そのものなのですが。

 来年は統一地方選挙や参議院選挙があります。政治家たちは、来年の選挙で選挙運動を手伝ってもらえるように、選挙違反に問われた自分の支持者が恩赦の対象になるように働きかけることがあります。

 めでたいことがあるから恩赦が実施されるのですが、その結果、あまりめでたくないことが起きないか、監視が必要です。

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