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「学校に合わない人がいるのは当たり前」不登校10年の経験者が示す「学校に行かない生き方」

学校って、不思議な場所だと思うんです

 不登校の小中学生は、全国に13万人以上いると言われている。自身も約10年の不登校を経験し、8月19日に全国100カ所で開催された不登校の当事者が集まるイベント「#不登校は不幸じゃない」の発起人を務めた小幡和輝さんは、不登校そのものを肯定し、全国の子どもたちの不登校支援を行っている。小幡さんに、「不登校支援をする理由」と「学校の在り方」を聞いた。

(インタビューは7月31日に行いました)

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8月19日のイベントで自身の不登校体験を語る小幡さん

文科省の通知で「ルールが変わった」

――小幡さんは、「学校に行かないことも一つの選択肢」として、不登校を肯定していますね。2016年には、文部科学省が「不登校を問題行動と判断してはならない」と通知を出し、不登校への認識が大きく変わりつつあるのを感じています。

 昨年、小幡さんはクラウドファンディングでパトロン228人、129万6000円を集め、初めての著書『不登校から高校生社長へ』を自費出版しました。不登校を肯定し、「正しい不登校のやり方」を紹介する新しい切り口に驚きましたが、これは文科省の通知を受けてのことだったのですか。

小幡 もともと、自分の体験談として講演会やブログで、「辛かったら学校に行かなくても良い」という話はしていたんですね。学校に行くのが「ルールとして当然」だと思っていたので、不登校はあくまで最後の、消極的な選択肢だと思っていました。

 でも、文科省の通知を見て、「ルールが変わってるぞ!」と衝撃を受けました。今までは感情的に、当事者に対して「不登校は一つの選択肢」と言っていたけれど、論理的に考えて、社会に対しても「不登校が一つの選択肢」であることを訴えかけられるんじゃないかと思ったんです。「不登校は不幸じゃない」という考え方は、社会に投げかける問いとして、十分なんじゃないかと思うようになりました。

イベント「#不登校は不幸じゃない」町田会場の様子

義務教育の「義務」は子どもの義務じゃない

――学校に行きたくない子どもも、親に対して「文科省の通知って知ってる?」と言えるようになったわけですもんね。いわば武器を得たような。

小幡 そうです(笑)。義務教育の「義務」というのは、市町村が区域内に学校を作るという「義務」であり、親が子どもに教育を受けさせる「義務」があるという意味ですよね。そもそも「子どもが学校に行く義務」ではないんです。だから子どもが学校に行きたくないならば、行かなくてもいいし、親が子どもに教育を受けさせる義務を果たすには、学校でなければならないという理屈はないんです。