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昨年の苦しみを忘れない 主将・中田翔の登場曲に込められた思い

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/23
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「2017年の苦しみを忘れないため」の意味も持った曲

 悩みもがく姿を見ていたYASSさんも新たな提案をします。「出会った頃とは気持ちが変わってきていると思う。登場曲を新しく作らせてほしい、いまの中田翔を語る曲を作れるのは俺しかいない」。快諾した中田選手、でもひとつ要望がありました。それがよく表れているフレーズはどこなのか、YASSさんに聞いてみました。YASSさんは、「おそらく」と前置きして教えてくれました。

「『これ以上ない屈辱を 悔しさを 不甲斐なさを 情けなさを』

 聞いたわけじゃないけど、たぶんこの部分じゃないですかね。今回の曲作りを持ち掛けた時に、そんなような心境を描いてくれと本人から言われてましたから」

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 心機一転だけじゃなかった。中田選手にとっては「2017年の苦しみを忘れないため」の意味も持った曲だったのです。

 そして、YASSさんが思い入れのあるフレーズはここ。

『My BROTHER また始めよう、その先で笑い合おう』

 タイトルになっている『My BROTHER』から始まる、お互いの進化の為に頑張っていこうという気持ちが込められた部分。仲間のための曲であると同時に自分たちを鼓舞する曲でもある。こういうのを目の当たりにすると、男同士の友情は女性のそれとはやっぱり違って、くすぐったくもうらやましく思ってしまう。

 ファンが歌う「SHOW TIME」のフレーズは引き継がれました。曲は変わってもその部分だけは前とそれほど変わらない響きで、ビーグルクルーからファイターズファンへの優しさを感じました。「お前が必要」、その言葉も歌詞の中に。

 その歌声が、9月に入ってさらに大きくなってきていると感じます。新しい応援ボードもここにきて増えています。メッセージ性のあるものも。

 伝えたいことがある。チームのキャプテンに。

 伝えたいことがある。中田翔選手に。

 伝えたいことがある。だから、それぞれに伝えたいその思いを、次もまた「SHOW TIME」に込める。

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